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アニメ制作現場をアーカイブする:映像メディア、中間成果物に続く第3の領域として

研究課題

研究課題/領域番号 22K00260
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01070:芸術実践論関連
研究機関開志専門職大学

研究代表者

木村 智哉  開志専門職大学, アニメ・マンガ学部, 准教授 (30636030)

研究分担者 Kim JoonYang  新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (00749955)
神村 幸子  開志専門職大学, アニメ・マンガ学部, 客員教授 (40512215)
松永 伸太朗  長野大学, 企業情報学部, 准教授 (80847509)
高嶋 洋一  開志専門職大学, 情報学部, 教授 (90539355)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードアニメーション / アーカイブ / 情報処理 / 労働 / インタビュー調査
研究開始時の研究の概要

本研究は、日本におけるアニメ制作現場の実態解明を実証的に行うため、アニメ制作関係者へのインタビュー調査による口述資料の収集および分析と、アニメ制作の根幹となるキャラクター作画作業量の数値化および検証を実施する。前者は社会科学的手法に基づく質的アプローチであり、後者は理工学的見地から行う量的アプローチとなる。本研究では、この二者を同時並行的に進行させ、数量的データに基づくインタビューと、インタビュー成果に基づく数量的データの分析という循環系を形成して、文理の垣根を超えた学際的研究成果を創出する。

研究実績の概要

インタビュー班ではまず、2023年度に計5名(男性3名、女性2名)のアニメーターへのヒアリングを実施した。2022年度のインタビュイーを含め、相互に重なる時期や職場、関係する作品のある対象を確保できたため、クロスチェックの意味でも有意義な調査を実施できた。特にアニメーター特有の技術観が、作業量や質をめぐる評価体系と強い関連性を持っていること、それがアニメーターのキャリア継続を可能とする資源となっていることなどが、ヒアリング成果から浮かび上がってきた。また、アニメーターをはじめとした制作者とマネジメント職との間にある業務負担の認識のギャップやその乗り越えについても検討を行った。加えて、多くのインタビュイーのキャリアの初期とも重なる1980年代のテレビアニメ中間素材(主に絵コンテおよび原画)を精査することで、制作現場で投じられる労力の具体的な総量を検証した。
計測班では、計測用素材の十分な種類と量を確保することに重点を置いた。昨年度に不足していたタイプの素材の補強を念頭に、計測用線画のデータ制作を行い、実際の計測プログラム検証用に提供した。これにより計測用の線画発注が全て完了し、引き続き計測プログラムのアップデートがすすめられた。その過程で特に、黒以外の色で引かれた線や、斜めに引かれるなどによりピクセル数が変化している可能性のある線を、正確に処理するための検討が必要であることが浮かび上がった。また同時に、作業工数に関するヒアリング調査を動画マンへ独自に実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インタビュー班については2年目までに8名程度のヒアリングを想定していたところ、9名への実施が完了し、また別途制作進行への調査なども行えたため、当初の計画以上の進展が見られたと言える。一方で計測班では、より厳密なデータを計測するためのプログラムの検証に、かなりの工数が必要であることが分かり、やや遅れが見られる。またそのため、インタビュー班の調査への成果反映は、ごく一部の仮説を適用するに留まっている。しかし研究プロジェクト全体の進捗としては、概ね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

最終年度は報告書の編集・刊行と、学会等での発表により、研究成果をアカデミアおよび社会一般に還元することをはかる。アニメ制作現場の人員および中間素材管理の実態についてのこれまでのヒアリング調査成果を分析しつつ、計測班の分析と合わせて、作画など特定の制作工程における労働力を具体的に捉える成果につなげる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち招待講演 5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] アニメーション産業史研究はいかにして/何が可能か:方法論と意義についての学際的考察2023

    • 著者名/発表者名
      木村智哉
    • 雑誌名

      アニメーション研究

      巻: 23 号: 1 ページ: 15-27

    • DOI

      10.34370/jjas.23.1_15

    • ISSN
      1347-300X, 2435-1989
    • 年月日
      2023-01-31
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 揺籃としてのポスト・アニメブーム : 亜細亜堂作品と湯浅政明の初期フィルモグラフィから2022

    • 著者名/発表者名
      木村智哉
    • 雑誌名

      ユリイカ

      巻: 54巻8号 ページ: 126-135

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 中間素材とオーラルヒストリーが拓くアニメーション史研究の可能性―『ゴルゴ13 劇場版』絵コンテを手掛かりに―2024

    • 著者名/発表者名
      木村智哉
    • 学会等名
      新潟国際アニメーション映画祭 新潟大学協賛企画「アニメ中間素材の保存と活用のためのアカデミアからの関与」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 『ゴルゴ13 劇場版』CGパートにおける完成映像イメージの決定過程―中間素材とオーラルヒストリーによる分析―2023

    • 著者名/発表者名
      木村智哉
    • 学会等名
      日本アニメーション学会 秋の研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] What You See Moving on Screen Is Not What You Think You See: Exploring Kinesthetic and Intermediate Traces of Forces and Labors2023

    • 著者名/発表者名
      Joon Yang KIM
    • 学会等名
      Workshop Doing Things with Anime Materials: Approaching Japanese Animation away from the Screen at Durham University
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] アニメと場所の社会学(1)制作進行によるマネジメントの実践と デジタル化2023

    • 著者名/発表者名
      松永伸太朗
    • 学会等名
      第96回日本社会学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アニメーション産業史の視点と意義2022

    • 著者名/発表者名
      木村智哉
    • 学会等名
      日本アニメーション学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 1980年代アニメの中の『夢戦士ウイングマン』と東映動画2022

    • 著者名/発表者名
      木村智哉
    • 学会等名
      アニメ中間素材シンポジウム「1980 年代テレビアニメを語る」
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] アニメ中間素材のアーカイブ化について2022

    • 著者名/発表者名
      キム・ジュニアン
    • 学会等名
      小出正志退職記念展 教育x研究x境界 ーアニメーション活動とその周辺ー
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] アニメ中間素材のデジタル・アーカイブ化について2022

    • 著者名/発表者名
      キム・ジュニアン
    • 学会等名
      デジタルアーカイブ学会 産業とデータ・コンテンツ部会主催DAショートトーク
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] エッセンシャルワーカー : 社会に不可欠な仕事なのに、なぜ安く使われるのか2023

    • 著者名/発表者名
      田中洋子
    • 総ページ数
      350
    • 出版者
      旬報社
    • ISBN
      9784845118496
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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