研究課題/領域番号 |
22K00274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
黒河 昭雄 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 研究員 (60648450)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 科学的助言 / 政策形成過程 / ガバナンス / 専門家 / 政策実装 / 政策のための科学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、政策形成過程における専門家と政策担当者との間にみられる非公式な情報提供とその受容をめぐる関係性を明らかにすることで「非制度的な科学的助言」(Informal Science Advice)というフレームワークを構築することを目指すものである。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行制御においては、専門家会合や分科会等の審議会組織を通じたフォーマルな科学的助言のみならず、専門家が非公式に政策担当者に対して情報提供を行い、それが実際の政策形成に活用される事例が観察された。本研究では、実際の政策過程において専門家がインフォーマルに政策過程に関与している動態を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、政策形成過程における専門家と政策担当者との間にみられる非公式な情報提供とその受容をめぐる関係性を明らかにすることで「非制度的な科学的助言」(Informal Science Advice)というフレームワークを構築することを目指すものである。行政と専門家の間における非公式な関係性における情報の提供と受容のプロセスに着目し、実際の政策過程において専門家がインフォーマルに政策過程に関与している動態を解明することを目指す。 本年度は、科学的助言に関連する国内外の先行研究についての文献調査を実施し、「非制度的な助言」をめぐるフレームワークの構築に向けた基盤的知見の獲得に取り組んだ。科学技術社会論における先行研究のみならず、行政学や政治学における政策過程論、政治過程論の知見、さらには技術官僚、審議会等に関する先行研究についてもあらためて参照することで、これまでの研究状況を俯瞰するとともに、Informal Science Adviceの位置づけを確認した。とりわけコロナ禍においては、わが国のみならず諸外国においても、従来の科学的助言の仕組みを補完する形でInformal Science Adviceが機能しつつある様子が報告されており、本研究の問題関心の重要性があらためて確認された。一方で、非公式であるがゆえに、その正統性やアカウンタビリティ、非公式と公式の接続問題など、政策過程における科学的知見の受容(あるいは拒絶)のプロセスにおいていくつかの手続き的な課題が指摘されつつあることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が当該年度に休業を取得したことから、一時的に研究を中断することとなった。そのため、当初の計画していた文献調査の一部に遅れが生じている。一方で、研究の進捗に合わせて次年度に予定していた事例研究を一部前倒す形で着手をしており、次年度は遅れの生じている文献調査と共に当初の予定通り事例研究を推進する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に続き文献調査を継続しつつ、次年度は非制度的な科学的助言が実際に受容された(あるいは受容されなかった)事例を採り上げ、研究者およびそのカウンターパートとなる政策担当者らに対して、半構造化インタビューを実施する。特に、専門家が自らの研究成果が受容されるようどのような戦略のもとに交渉を進めたのか、また政策担当者の側はどのような経緯と意図のもとにそれらの知見を受容するに至ったのかを明確にしていく。あわせて、公表されている政策文書において提供された知見がどのように活用、反映されているのかを確認する。
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