研究課題/領域番号 |
22K00278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
渡部 麻衣子 自治医科大学, 医学部, 講師 (60736908)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 視覚化 / デジタルテクノロジー / 技術史 / 胎児 / 視覚文化 / 科学知 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は「母胎内の胎児」と言う目に見えない存在を捉える「視覚」が、現代において、科学・技術と社会の相互関係の中でどのように構成されているのかを明らかにすることです。そのために「科学知生産における視覚文化研究」の系譜を踏まえ、科学技術社会論の立場から、「視覚技術」、「胎児への科学的関心」、「胎児への社会的関心」がどのように関係しあって「胎児への視覚」を成り立たせているのかを分析し記述することを目指します。本研究は、この事例を通して、「対象への視覚」を構成する「技術的関心」「科学的関心」「社会的関心」の相互関係に照準を当てる、科学技術社会論における「視覚文化研究」の発展に寄与します。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、「胎児への合成志向性」を成り立たせる諸要素を、具体的な技術と人の関係性のあり方の観察を通して明らかにすることである。この目的を達成するために、今年度はまず、「胎児の視覚化」の中核を成す技術である超音波検査技術を、人をデジタルに表象する技術の一つに位置付け、デジタルテクノロジーの発展と人間の表象をめぐる歴史と社会的状況に関する資料の収集を行った。加えて、人間のデジタルな表象に関する技術の発展と広まりに関して、実際に技術開発を行ってきた技術者を交えた研究会において継続的な知見の収集に努めた。これはデジタル・クローンの開発に関わる技術者と行ってきた研究会によって可能となったものである。視覚化された胎児は、デジタル・クローンの先駆けとみなすことができる。この気づきから、人のデジタルな表象の文脈に胎児の視覚化を位置付ける発想を得たことで、「胎児への合成志向性」の考察を「人間への合成志向性」の考察を結びつける可能性を見出したと考えている。この点は、本研究の意義を強化すると考える。具体的な作業としては、国内外の胎児を対象とする超音波検査の技術やその社会的影響に関する既存の資料及び文献の収集を引き続き行い、資料の整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍、フィールドワークの目処を立てることができず、研究の方向性を決定するのに時間を要した。しかし、デジタルテクノロジー発展の歴史という大きな視座と胎児の視覚化という特定の事例を結びつけることができたことは、今年度の収穫であり、次年度以降の目標を明確にすることはできたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
デジタルテクノロジー発展の歴史のなかに、胎児の視覚化を位置付け、人間のデジタルな表象の一事例として胎児の視覚化という現象を書き記すことが今後の目標である。そのためには、デジタルテクノロジーの発展史及び人間のデジタルな表象をめぐる議論をまとめた上で、既に収集している胎児の視覚化をめぐる資料を、この文脈と照らし合わせながら分析し記述する必要があると考える。
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