研究課題/領域番号 |
22K00281
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 筑波技術大学 (2023) 早稲田大学 (2022) |
研究代表者 |
青木 千帆子 筑波技術大学, その他部局等, 特任助教 (00584062)
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研究分担者 |
白銀 純子 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00329161)
中野 泰志 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (60207850)
倉片 憲治 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90356931)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 障害 / 情報アクセシビリティ / ユニバーサルデザイン / アクセシビリティ / ICT / LMS / 障害学生支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ICTのアクセシビリティの現状を確認しユニバーサルデザインの科学技術史と併せて分析することで、日本における支援技術政策の問題点を明らかにしようとするものである。一般社会におけるアクセシビリティの認識が広がらず、ICTが障害者の社会参加を阻む社会的障壁となってしまう事例が頻発している。その背景に関する仮説として、政策による産業保護が翻って支援技術を「特別なコストがかかる配慮」として可視化し、ICTの発展から置き去りにされる構図を補強している可能性が考えられる。この点について、大学で使用するICTのアクセシビリティに関する研究とユニバーサルデザインに関する科学技術史研究を通し検討する。
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研究実績の概要 |
①大学で使用するICTのアクセシビリティに関する研究 2023年夏にイギリスを訪問し、LMSのアクセシビリティの現状について調査した。イギリスでは2018年に公的機関に対するウェブアクセシビリティ義務化指令が出されて以後、この数年で大きな変革が行われている。結果、Authoring Tool Accessibility Guidelines (ATAG) を活用したLMSの普及が進んでいることを確認し、帰国後Blackboard Ally等について情報収集した。これらの内容について、2023年12月大学ICT推進協議会、2024年福祉情報工学研究会で報告と論点整理を行った。 ②ユニバーサルデザインに関する科学技術史研究 2023年度の間に「共用品」「ユニバーサルデザイン」「福祉用具」の歴史に関する調査を終え、論文としてとりまとめた。2024年度に入ってからになるが投稿し、現在査読中である。関連する内容で、生活支援工学会の研究助成を獲得し2024年度に調査を進めた。こちらは2023年9月LIFEにて報告を行い、論文化する作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大学で使用するICTのアクセシビリティについては、本科研の取組として改善策を検討し、ガイドライン等を提案する予定で調査を進めていた。しかし、W3C Web Accessibility Consortium (WAI)においてLMSのアクセシビリティが課題として認識され、国際的な文脈での議論が始まっている。このため、本科研の取組として実施予定だった改善策に関する検討作業を中止し、W3Cにおける議論の動向を把握すること、及び、そこで示されているガイドライン等の日本への応用可能性について検討する作業へと、方向転換している。
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今後の研究の推進方策 |
①大学で使用するICTのアクセシビリティに関する研究 2024年度は、国立国会図書館が電子図書館のアクセシビリティに関するガイドラインを公表しWCAGに言及していることから、図書館関係者向けにWCAGに関する情報提供を行う作業を行う。加えて、日本でWCAG、ATAG、WAI-ARIAについて学ぶ場がない現状を踏まえ、これらの情報を学ぶためにカリキュラム案を検討する。こちらについては、国外の情報科学系の学部で同様の内容を学ぶ際にどのようなカリキュラムが提案されているのかを確認し、その上で日本の現状を踏まえたカリキュラム案を提示する。 ②ユニバーサルデザインに関する科学技術史研究 2024年度は、3年間に実施した研究内容の全体を踏まえた論点整理を行う。補足的なインタビュー調査や文献調査を行いつつ、学会で議論を重ね、まとめた論文を国際誌に投稿する予定である。
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