研究課題/領域番号 |
22K00282
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01080:科学社会学および科学技術史関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
財部 香枝 中部大学, 国際関係学部, 教授 (00421256)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 科学史 / 気象学史 / 日本アジア協会 / 国際気象会議 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究「明治初期の国際的気象観測網構築過程に関する研究:日本アジア協会等の役割を中心に」は、日本アジア協会と国際気象会議の役割を調査し、国際的な気象観測網構築過程への日本の参画実態を解明することにより、日本の気象学史を再検討するものである。 本研究は、総観気象学の創始に新たな知見をもたらす重要な研究課題であるにもかかわらず、これまで探究されてこなかった。科学史研究者、気象学者山本哲、御雇外国人研究者中川智視が、日本の文脈における気象学史を国際的に発信することにより、国際気象学史委員会(ICHM)が推進する地球規模の気象学史再構築に貢献するほか、気候変動等の今日的研究課題の基礎資料にも資する。
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研究実績の概要 |
本研究「明治初期の国際的気象観測網構築過程に関する研究:日本アジア協会等の役割を中心に」は、日本アジア協会と国際気象会議の役割を調査し、国際的な気象観測網構築過程への日本の参画実態を解明することにより、日本の気象学史を再検討するものである。 1.研究代表者と研究協力者は、2022年度に続き、毎月、遠隔または対面にて気象学史研究会を開催し、James Rodger Fleming著Historical Perspectives on Climate Changeを精読し、米国初期の気象学史を検討した。 2.上述の毎月の研究会において、日本アジア協会Transactionsの気象学に関する先行研究を確認するとともに、Transactionsから気象学に関する議論の一部を抽出した。 3.研究代表者と研究協力者は、2023年9月、函館、札幌にて明治初期の北海道における気象観測に関する資料調査を行った(函館地方気象台、札幌管区気象台、北海道立文書館)。 また、2024年2月、明治初期横浜における米国人による気象観測に関する調査を行った(横浜地方気象台、横浜外国人墓地資料館、フェリス女学院歴史資料館)。 4.研究成果の公表は次のとおりである。研究代表者は、2023年5月日本科学史学会年会シンポジウムにて、スミソニアン協会アーカイブス資料に関する報告を行い、RU60スミソニアン気象事業を紹介した(日本科学史学会『科学史研究』(印刷中))。研究代表者は、2023年10月ICOM-CIMUSET発表の一部で、スミソニアン女性気象観測者に関する事例研究を取り上げた。毎月行った研究会での議論の成果については、研究協力者との共著で「米国初期の気象学史:ジェイムズ・フレミング著『気候変動に関する歴史的視点』を中心に」を執筆して公表した(印刷中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究開始時の研究計画と比べると、研究計画どおり北海道調査(函館地方気象台、札幌管区気象台、北海道立文書館)、横浜調査(横浜地方気象台、横浜外国人墓地資料館、フェリス女学院歴史資料館)を遂行したものの、Transactions of the Asiatic Society of Japanにおける気象学に関する議論の抽出は一部にとどまった。 しかしながら、毎月開催した研究会にてJames Rodger Fleming著Historical Perspectives on Climate Changeを精読し、米国初期の気象学史を検討した。その公表をとおして、総観気象学の創始にかかる研究基盤に資することができた。
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今後の研究の推進方策 |
1.研究代表者と研究協力者は、2023年度に続き、毎月、遠隔または対面にて気象学史研究会を開催し、Transactions of the Asiatic Society of Japanの気象学に関する議論を抽出し検討する。 2.上述の毎月の研究会において、Fleming著Meteorology in Americaの精読を行い、集団伝記法による気象観測者分析の方法論について検討する。 3.Japan Mail資料から気象学データの抽出を開始する。国際気象会議創設関連資料の収集を開始する。 4.後述5.の準備作業として、『スミソニアン協会年報』各年の基地名、観測者名を整理・検討する。この背景としては、これまで活用してきた『スミソニアン協会年報』1873 年所収 「スミソニアン協会所蔵月次気象報告書の分類記録」に掲載されている基地名、期間、観測者名の一覧表が、必ずしも完全ではないことが判明したためである。 5.研究開始時の研究計画どおり、研究代表者と研究協力者は海外調査(ワシントンDC、スミソニアン協会、NARA等)を行う。
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