研究課題/領域番号 |
22K00299
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 大正大学 |
研究代表者 |
渡辺 麻里子 大正大学, 文学部, 教授 (30431430)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 園城寺 / 身延文庫 / 西教寺正教蔵 / 叡山文庫 / 亮憲 / 真祐 / 尊通 / 法明院 / 天台 / 談義 / 西教寺 / 談義書 / 中世 |
研究開始時の研究の概要 |
園城寺(三井寺)所蔵の中世天台聖教を調査することによって、比叡山と園城寺の関係や、園城寺と関東天台との関係について考察し、中世の天台教学の拠点としての園城寺の学問の様相を考察する。 また天台教学の拠点としての園城寺の学問的役割を考察し、園城寺で学んだ身延山久遠寺の学問の調査分析を加えて、中世における天台寺院の学問の様相や、学僧や談義書の知のネットワークの状況を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、「園城寺所蔵中世天台関係聖教の調査による天台談義書ネットワークの解明」という課題名で、園城寺が所蔵する多くの聖教の中で、特に中世の天台関係聖教に注目し、勧学院関係資料、法明院資料などを中心とした調査研究を行いながら、中世における天台談義・論義の実態や内容を解明することを目指すものである。 園城寺の調査においては、中世に活躍した亮憲・真祐などの関係資料を調査した。亮憲や真祐は、闕所後の園城寺の教学復興を行った天台僧であるが、その年譜や業績が明らかになっていなかった。本研究では、亮憲や真祐、また寺門の学僧である尊通などといった学僧の著作や資料を調査撮影および分析をすることにより、園城寺の中世の学問の様相を解明する。また法明院資料の調査によって、中世における園城寺の学問を知るための手がかりとなる聖教を発見することができ、その資料群の調査分析を行った。 法明院については、大津市歴史博物館において調査を行い、園城寺本については園城寺においての調査を実施した。園城寺蔵本については、同時に目録の作成も並行して進めている。 さらに談義書ネットワークの解明のために、天台談義書資料を多く所蔵する叡山文庫、西教寺正教蔵、身延山久遠寺身延文庫所蔵聖教などの調査を実施した。それによって諸伝本を比較検討し、学僧の動き・移動についての検討を進めることが可能となった。例えば亮憲の場合は、常陸千妙寺から園城寺に移るが、こうした居所を移動した学僧の事跡を追跡し、事跡を全体的に捉えることが可能となった。また西教寺および身延山久遠寺においては、調査の際に資料の撮影も行い、今後の分析の基礎資料とした。 調査全般で、予定していた以上の資料を発見することができた。その成果の一部は、学会発表や論文において公開し、研究者間で共有できるようにした。今後さらに分析を進めて行く予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在のところ、各所の調査について、計画通り進められている。さらに、予想していた以上に未見の資料が見つかり、今後の方針を修正検討している。そのため、全体として、おおむね順調に進展していると言える。 園城寺所蔵聖教のうち、勧学院聖教については、調査撮影したデータを確認しながら、目録作成に移っている。法明院本については、新出資料については調査撮影を行い書誌データを作成後、内容の精査に移行している。また園城寺本の意義を確認するために、中世の天台談義書を所蔵する関係機関において諸伝本を調査し、内容の分析を行っている。諸伝本の調査には、叡山文庫、西教寺正教蔵、身延山久遠寺身延文庫などを調査し、新たな資料の発見にも至っており、予定以上に進めることができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、引き続き園城寺聖教について、勧学院聖教と法明院本を中心に中世天台に関連する聖教の調査を進めていく。特に、園城寺の闕所後の復興に努めた天台僧である亮憲・真祐の関係資料については調査撮影の後、目録を作成し、今後の研究の基礎データベースとなるようにする。 また園城寺を基点とする天台談義所とのネットワークの解明のために、身延山久遠寺身延文庫・叡山文庫・西教寺正教蔵などの資料を調査し、園城寺本との比較検討を行う。昨年までに、天台僧亮憲についての関連資料の調査は終えたので、今後は、亮憲と同じく闕所後の園城寺の復興に努めた天台僧真祐の関連資料を調査し、真祐の事跡を解明していきたい。また園城寺の中世を代表する学僧尊通の関連資料を分析し、園城寺における中世の学問の様相を解明するために調査撮影を実施し目録作成を行う。 次年度は研究の三年目となるので、園城寺の中世の学問については、ここまでの成果をいったん学会で報告する予定である。2024年12月に仏教文学会例会を園城寺にて実施し、顕教・密教・新羅明神・修験道という観点から、新出資料を整理し、成果を広く公開する。同時に、学界を越えて広く知見を得つつ、最終年度の四年目の調査や成果報告につなげていきたいと考えている。
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