研究課題/領域番号 |
22K00311
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
志立 正知 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (70248722)
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研究分担者 |
曽我 良成 名古屋学院大学, 国際文化学部, 教授 (30197008)
橋本 正俊 摂南大学, 国際学部, 教授 (30440655)
村井 宏栄 椙山女学園大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40610770)
森田 貴之 南山大学, 人文学部, 准教授 (90611591)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 源平盛衰記 / 注釈学的研究 / 校訂本文 / 歴史学との融合 / 分野横断(歴史/文学/言語) |
研究開始時の研究の概要 |
注釈学的研究の基盤となる『源平盛衰記』の厳密な本文校合を進めるため、古写本系の静嘉堂文庫本・蓬左文庫本、古活字本系の慶長古活字本・近衛本に加え、成簣堂文庫本と黒川本の調査を行い、今後も長期にわたって継続予定の盛衰記注釈のための基盤を整備する。校合結果については、「『源平盛衰記』全釈」に反映するほか、Web等による公表を検討する。また、これまで継続してきた多角的視点による注釈学的研究を継続・推進する。
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研究実績の概要 |
当初の予定通り、2023年1月に『源平盛衰記』全釈(一八―巻六―2)を発表した。注釈学的な観点から、「西光卒都婆」の章段を中心に、近世における六地蔵巡り信仰の起源としての説話形成の問題と、後代への影響という二つの点で、従来の研究を総括しつつ新見を提示することができた。また、重盛による清盛への教訓の背後に見られる仏典・漢籍等の受容についても、新たな知見を展開することが出来た。 また、『源平盛衰記』の注釈作業の過程で浮かび上がった鬼界ヶ島配流にみられる空間認識の派生的な日本の領域意識に関する問題として、「東日流」という表記に見られるような、津軽を日本の東の果てとする認識の形成と、展開についてを明らかにした(「「津軽」・「外浜」は東の果てか―中世の方位認識を考える―」〔『日本文学 ( 日本文学協会 )』71(5) 2022年05月〕)。 本科研の主要な課題である『源平盛衰記』本文校訂のための異本調査については、Web上で公開されている早稲田大学蔵黒川本については、前記全釈に反映した。一方成簣堂文庫本については、コロナ感染対策の問題で閲覧できない時期が長く、予定よりも進行がかなり遅れている。しかしながら、閲覧人数などについてかなりの制約がかかった状態ではあるが、2023年2月と3月に予備的な調査を実施、巻七に関しての校異確認を終了した。この調査結果は、巻七についての注釈を展開する2024年度発表予定の全釈二〇に反映することとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定の『源平盛衰記』全釈の発表については、計画通り順調に進んでいる。ただし、成簣堂文庫の調査については、コロナ感染予防の問題から、2022年中には調査が実施出来ず、漸く実施した2023年2月、3月の調査でも、資料を閲覧できるのは1回につき1人のみ、また、一度閲覧した資料は、一定期間次の閲覧者が閲覧できないなどの制約もあり、予備的調査の段階に留まっている。
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今後の研究の推進方策 |
『源平盛衰記』全釈(一九―巻六―3)については、すでに本グループ内で2023年度計画の作業が開始されており順調に進行している。送れている成簣堂文庫の調査については、現在のところ、閲覧人数の制限がかかったままの状態であるので、日程などを調整しながら分担作業として、調査を進めていくよう計画を修正・調整している。
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