研究課題/領域番号 |
22K00315
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
尾西 康充 三重大学, 人文学部, 教授 (70274032)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 野間宏 / マルクス主義 / 親鸞 / 戦後文学 / 日本近代文学 / 人民戦線運動 / 戦後日本文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では野間宏が『暗い絵』『青年の環』のなかで描き出した戦前の反戦反ファシズム人民戦線運動を文学史・思想史的に位置づけるとともに、敗戦直後の1946年から戦後文学が終焉したといわれた65年までの間、「近代文学」「新日本文学」「人民文学」と、「グルッペ47」とが両国の言論界において提起した問題群を整理し、それらが両国の戦後文学および戦後思想にどのような影響を与えていたのかを検証する。
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研究実績の概要 |
野間宏の文学作品におけるエネルギーに満ちた〝悪〟の表象は、中世史学のパラダイムチェンジを果たした網野善彦が意欲的に論説を展開した分野であった。網野によれば〝悪〟とは、平安後期において「粗野で荒々しく、人の力ではたやすく統御し難い行為」と結びつけて使われていた。たとえば漁撈や狩猟などの殺生、濫妨や狼藉、殺人、博打や双六、商売や金融によって利益を得る行為や〝穢れ〟―非人・犬神人・山臥・河原者―などであったが、一三世紀後半以降、宋銭の大量な流入によって「貨幣の魔力は社会を広くとらえ、「悪」と結びついた荒々しい力を社会の表面に噴出」させるようになったという。社会の転換期において、親鸞や一遍は、悪の世界に肯定的な評価を与え、商工業者や金融業者、さらに被差別民や博打、遊女まで支持者を拡げ、後醍醐天皇は北条氏の強権政治に反発する商人や金融業者、廻船人のネットワークを組織して「建武の新政」―内裏には商人や非人と呼ばれた人びとが出入りした―を導いたとするのである。 「よしあしの文字をもしらぬひとはみな/まことのこころなりけるを/善悪の字しりがおは/おおそらごとのかたちなり」(『正像末和讃』)という親鸞の言葉もまた、生死罪濁の群萌に向って無分別智の証、すなわち〝善悪の彼岸〟を指し示したメッセージである。 今年度の研究は、野間の代表的な文学作品を読み解きながら、野間がその作家生涯をかけて目指した理想を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定した通り、研究は進捗している。調査した成果は論文や著書の公刊によって明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度に向けて、収集した資料を再整理して、それらを論文の形で順次発表する。
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