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GHQ/SCAP検閲と米国の対日占領政策が戦後日本文学・文化に与えた影響

研究課題

研究課題/領域番号 22K00316
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02010:日本文学関連
研究機関京都教育大学

研究代表者

天野 知幸  京都教育大学, 教育学部, 教授 (40552998)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2026年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワードGHQ/ SCAP検閲 / 引揚文学 / 引揚援護雑誌 / 東西冷戦 / ポスト帝国主義時代の移動 / 対日占領政策 / 帝国主義 / 移動 / 接触 / 引揚 / 戦後文学 / GHQ/SCAP検閲
研究開始時の研究の概要

GHQ/SCAP検閲は占領期の日本における他国表象や帝国主義表象の基盤を形成したが、それは東西冷戦期にも継承され、今なお続く東側諸国に対する他者意識の形成にも、深く関わったという仮説を立てている。この仮説のもと、戦後日本の言説・表現においてその数が少なく、現在、忘却されつつあるGHQ占領期、ポスト占領期・東西冷戦期の共産主義・抑留・引揚・異民族・混血・慰安婦に関する記憶やそれらの表象を、占領期から東西冷戦前半期にわたり、調査する。その上で、そこにあるであろう偏差、時代的な推移や変化を探り、国際政治と言説・表象との関係を解明する。

研究実績の概要

研究計画通り、一般的に流通している引揚者イメージとの差異やGHQ/SCAP検閲の影響などを視野にいれながら、GHQ占領期における越境者としての引揚者表象を当時の大衆演劇を題材に分析し、その成果を学術雑誌に発表した。また、2023年度に計画していた外地、ソ連、東アジアの記憶の表象についても、引揚援護雑誌という引揚者向けのメディアに収められた詩歌や評論の分析を行い、引揚者自身の文学言説の特徴・引揚言説や引揚援護雑誌に対するGHQ/SCAP検閲の影響・1947年以降に急増する共産主義への批判言説などについて分析した。この分析から、当時の引揚援護雑誌における言説、表現においても、対日政策が強い影響力を持っていることがわかった。

これらの研究成果は、研究論文:単著「大衆文化における引揚の表象(1):ムーラン・ルージュ新宿座と中江良夫「生活の河」」『京都教育大学 国文学会誌』(51)、 pp.58-70、2023年8月として発表した。また、メディア専門の研究会において、個人発表「引揚援護雑誌における言説研究 ――ジャーナリズムと“援護”の視点から 」20世紀メディア研究所第173回研究会、早稲田大学、2024年1月27日として発表した。

以上の研究から、帝国主義時代の人の《移動》《接触》の記憶が占領期(1945~1952年)からポスト占領期および米ソのデタント前までの東西冷戦前半期(1952~1968年)において、どう記述・表現され、また、そこにはいかなる傾向が存在するのかという、本研究課題の解明に一歩近づいた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度は、引揚文学・演劇・映画の研究を行い、GHQ占領末期からポスト占領期、東西冷戦期に急増し続ける引揚文学・映画・演劇を分析する計画であった。その計画の通り、引揚表象の演劇における事例の考察を学術雑誌に発表した。また、2023年度に計画していた外地、ソ連、東アジアの記憶の表象の考察についても、当時の引揚援護雑誌をもとに行い、メディア研究を専門とする研究会で発表した。(単著論文「大衆文化における引揚の表象(1):ムーラン・ルージュ新宿座と中江良夫「生活の河」」、『京都教育大学 国文学会誌』(51)、 pp.58-70、2023年8月)、個人研究発表「引揚援護雑誌における言説研究 ――ジャーナリズムと“援護”の視点から 」20世紀メディア研究所第173回研究会、早稲田大学、2024年1月27日)

今後の研究の推進方策

研究計画書通り、GHQ/SCAP検閲研究と米ソの対立が苛烈化した東西冷戦前半期の文学・文化研究とを架橋するために、ポスト占領期へも研究対象を広げてゆく。そうすることで、対日占領政策、GHQ/SCAP検閲、東西冷戦が戦後の言説・表象にもたらした影響を見渡し、帝国主義時代の《移動》《接触》の表象の特徴とそれを取り巻く政治的問題、《移動》《接触》に関する集合的記憶の形成について明らかにしたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 大衆文化における引揚の表象(1):ムーラン・ルージュ新宿座と中江良夫「生活の河」2023

    • 著者名/発表者名
      天野知幸
    • 雑誌名

      京都教育大学 国文学会誌

      巻: 51 ページ: 58-70

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 引揚援護雑誌における言説研究 :ジャーナリズムと“援護”の視点から2023

    • 著者名/発表者名
      天野知幸
    • 学会等名
      20世紀メディア研究所
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 「ポストGHQ占領期における日本文学――国際政治と文学の接点をどう考えるか?」2023

    • 著者名/発表者名
      天野知幸
    • 学会等名
      2023年、日本文学研究の現在と世界の視野
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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