研究課題/領域番号 |
22K00320
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山根 由美恵 山口大学, 教育学部, 講師 (40566725)
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研究分担者 |
藤城 孝輔 岡山理科大学, 教育学部, 講師 (20887624)
内田 康 京都府立大学, 文学部, 研究員 (20929145)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 村上春樹 / アダプテーション / 世界文学 / 映画 / イラスト / 演劇 / 映画学 / ドライブ・マイ・カー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本人以外の翻案者も関わることが多い村上春樹文学のアダプテーション(翻案)を「世界文学」という視点から捉えることで新たなアダプテーション研究の可能性を追求するとともに、村上文学の「日本」性および文化や言語を超える普遍性について討究する。世界各国で翻案された映画・舞台・アニメ・絵本・漫画・文学という異ジャンルのアダプテーションを対象にし、総合的かつ学際的な研究を行うことで、アダプテーション研究と「世界文学」研究の連携の有用性、グローバル化の影響下にある村上文学・および日本文学の可能性を討究する。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本人以外の翻案者も関わることが多い村上春樹文学のアダプテーション(翻案)を「世界文学」という視点から捉えることで新たなアダプテーション研究の可能性を追求するとともに、村上文学の「日本」性および文化や言語を超える普遍性について討究することを目的としている。 2023年度の研究実績は以下の通りである。研究代表者(山根)は雑誌論文3本、研究ノート1本、学会等発表6回、研究分担者:藤城は共著2冊、雑誌論文3本、学会等発表3回、コラム1本、研究分担者:内田は雑誌論文1本、学会等発表2回、書評1本である。研究協力者についても、ダルミ:共著1冊、雑誌論文2本、書評1本、学会発表1回、伊藤::研究ノート1本、学会発表1回、コラム2本という成果を挙げた。 研究対象は、I:文学テクスト、Ⅱ:映画、Ⅲ:アニメ、Ⅳ:漫画、V:影響を受けた文学というジャンルを超えたものを措定した。2023年度は、I「めくらやなぎと眠る女」(論文)「街とその不確かな壁」(コラム) 、Ⅱ:「風の歌を聴け」「音の日記」「バーニング」「森の向う側」「ドライブ・マイ・カー」「パン屋襲撃」「パン屋再襲撃」「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」「ノルウェイの森」(論文・研究ノート)「トニー滝谷」(コラム)、III:「すずめの戸締まり」(研究ノート)、IV:「かえるくん、東京を救う」(論文)、Ⅴ「『 国境の南、太陽の西RMX』」(論文)といったように、全てのジャンルでの分析を行うことができた。さらに、本研究の特徴である、世界文学との関わり・日本以外での享受に関する分析も行っており、全体として総合的な研究を推進することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究代表者(山根)は雑誌論文3本、研究ノート1本、学会等発表6回、研究分担者:藤城は共著2冊、雑誌論文3本、学会等発表3回、コラム1本、研究分担者:内田は雑誌論文1本、学会等発表2回を行い、当初の計画以上の成果を上げた。 山根はこれまで研究が行われていなかったウクライナの短編映画「音の日記」の分析という新規開拓を行い、藤城・内田はアダプテーション研究の深化を行った。新規開拓と深化という二つの方向性から、村上春樹アダプテーション 研究の発展を伴うものであると判断される。また、本研究の特徴である、世界文学との関係(「めくらやなぎと眠る女」)・日本以外での享受(「音の日記」「バーニング」)に関しても分析が行えた。 更に、本科研と連動するWebの運営(村上春樹とアダプテーション研究会)および、オンライン雑誌(『村上春樹とアダプテーション研究』)第二号を発刊。無料 公開・機関リポジトリ登録を行ったことも成果と言える。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度も2023年度と同様に、個々の分析を進めて行くとともに、毎月1回の研究会参加・発表および年度末の機関誌の執筆を行う。なお、各メンバーは淡江大学主催の村上春樹国際シンポジウムでの発表も決定している。 研究の方向性として、山根・藤城・伊藤(内田に代わり研究分担者)は映画分析を行う。山根はアニメやアダプテーションに関わる原作分析を行う予定である。前年度に引き続き、世界文学・享受の把握とともに、最終年度の総括としてシンポジウムを執り行う予定である。
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