研究課題/領域番号 |
22K00326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
内藤 まりこ 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任講師 (50554432)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ロバート・ファン・ヒューリク / ヨーロッパの日本研究 / ロバート・ヴァン・フーリク / 蔵書調査 / ポストコロニアル / 日本文学 / 日本古典 |
研究開始時の研究の概要 |
ロバート・ファン・ヒューリクの著書及び蔵書を編集文献学の手法を用いて分析し、第二次大戦後の日本社会において海外の研究者が日本古典文学の価値づけや評価にいかに関与したかを明らかにし、第二次世界大戦後の日本国内外で日本古典文学がどのように紹介され、いかなる評価を与えられてきたのかを詳らかにする。 ファン・ヒューリクは、日本古典文学に関する数多くの書物を著しただけでなく、日本滞在中に日本古典作品の写本や版本を収集した。そこで、ファン・ヒューリクに関する研究が積極的に行われてきた欧米圏及び中国での成果を参照しつつ、そこではほとんど取り上げられてこなかった彼の日本古典に関わる活動の実態を調査する。
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研究実績の概要 |
2023年度は、オランダでの資料調査と2022年度から23年度にかけて収集した資料の分析を中心に研究活動を行なった。 まず、オランダでの資料調査に関しては、ファン・ヒューリク関連の主要な書物が所蔵されているオランダ・ライデン図書館では、2023年7月22日から9月13日の滞在期間にファン・ヒューリクが日本で収集したと考えられる資料を渉猟した。 次に、2022年度にライデン大学およびボストン大学にて行った資料調査と2023年度のライデン大学での資料調査とで収集した一次・二次資料の精査を行い、収集した資料を以下の3種類に分類した。1. 幼少時代に関する資料:ファン・ヒューリクが出生したオランダのズットフェンから父の仕事に伴って住んだオランダ領東インドのバタヴィアでの写真や本人が記した手紙等。2. 著作物に関する資料:2-1. ファン・ヒューリクが執筆した論文や研究書、書評等の研究に関わる刊行物及びその下書き、2-2. Judge Deeシリーズと呼ばれる推理小説作品の刊行物及びその下書きや、ファン・ヒューリク自らが手がけたイラストの下絵、2-3. ファン・ヒューリクが記した手紙。3. ファン・ヒューリクが収集した資料:3-1. 日本古典関係の一次・二次資料、3-2. 中国を中心とする東アジアの文学・文化に関する一次・二次資料 そして、こうした資料分類と並行して、ファン・ヒューリクに関する重要な研究書である1993年に刊行されたC.D. BarkmanによるEen man van drie levens: biografie van diplomaat/schrijver/geleerde Robert van Gulik. Amsterdam: Forum, Amsterdamの日本語翻訳を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
資料調査の結果、本研究が当初の目的として掲げていたファン・ヒューリクと日本文学研究との関わりに関係する資料はほとんど見当たらないことがわかったから。また、ファン・ヒューリクに関する研究が行われている中国、アメリカ、オランダにおいて発表された論文や学会発表の情報を収集し、その内容を把握したところ、それらは主にファン・ヒューリクの中国研究への貢献が明らかにされるものがほとんどであることがわかったから。
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今後の研究の推進方策 |
本研究が当初の目的として掲げていたファン・ヒューリクと日本文学研究との関わりを明らかにすることから方向転換をし、ファン・ヒューリクが中国や日本、オランダ領東インドを含む「東アジア」という地域概念に対していかなる認識を持っていたのかを検討することとした。
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