研究課題/領域番号 |
22K00330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 皇學館大学 |
研究代表者 |
田中 康二 皇學館大学, 文学部, 教授 (90269647)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 神風神話 / 本土決戦 / 元寇 / 中世神話 / 敗戦 / 国生み神話 / 日米開戦 / 領土拡大政策 / 大東亜共栄圏 / 国学的なるもの / 昭和十年代 / 神風史観 |
研究開始時の研究の概要 |
昭和十年代の「国学」は、本来の文献学的古典研究という方法論が後退し、皇国優位の思想的側面が前面にせり出してきた。これを「国学的なるもの」と称する。それは神代の「国生み神話」、古代の「大和魂」論、中世の「神風」史観、近世の「国学」論、幕末の「勤皇歌」論、さらには同時代の「日本的なるもの」論など、時代を縦断的に貫く問題系であった。本研究では、それら「国学的なるもの」について、当時の言説を可能な限り収集し、これを丹念に読み解くことによって、これまで顧みられなかった受容史の歪みの本質を明らかにする。
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研究実績の概要 |
「国学的なるもの」が先の戦争を通して称賛、讃美され、敗戦を機に雲散霧消した経緯をさまざまな観点から追究する課題の二年目である。今年度は、鎌倉時代に二度にわたる蒙古襲来に際して大風が吹いて日本が救われたという史実について、日本は神の国であるから外敵が日本を攻めた時には「神風」が吹いて日本が救われるという「神風史観」が、戦争勃発とともにメディアで取り上げられ、もてはやされた揚げ句、敗戦とともに消滅した経緯について調査および論文の執筆を行った。 また、大戦中に国学の熱狂を煽動したとされる平田篤胤について、本居宣長との関係で論じ、論文を執筆した。 さらに、篤胤の同時代の国学者である橘守部の新出資料、とりわけ守部がパトロンである吉田秋主に宛てた書簡六百余通を中心に、『橘守部全集』に未掲載の資料を翻刻し、紹介した。 なお、本居宣長の紀行文『菅笠日記』における名所研究について、地名考証という観点から論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該課題について、調査・研究は一定程度進み、活字媒体での発表もできた。
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今後の研究の推進方策 |
「国学的なるもの」が示す内容は広く、今後は歴史の各時代を彩ったイデオロギーが戦時中に復活し、隆盛を極め、最終的には戦後、消滅した経緯について、具体的なコンセプトに即して進めていきたい。
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