研究課題/領域番号 |
22K00333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 鹿児島県立短期大学 |
研究代表者 |
竹本 寛秋 鹿児島県立短期大学, 文学科 日本語日本文学専攻, 教授 (20552144)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 日本文学 / デジタル化 / 山尾三省 / ななおさかき / 詩 / カウンターカルチャー / ナナオサカキ / 長沢哲夫 / ビートニク / 現代詩 |
研究開始時の研究の概要 |
山尾三省の詩・評論を対象として、そこに表現されている思想の内実を明らかにする。山尾三省の思索・表現活動は、消費社会に対する懐疑、循環する自然生態系への洞察、原始共産制への憧れ、進歩史観への懐疑といったテーマが多く扱われているが、その全体を俯瞰的に記述する作業を行う。また、山尾三省の詩について、その表現の分析を行う。 研究期間全体を通して、山尾三省の著作を蒐集し、書誌の整備を行う。 研究の全体を通し、山尾三省の著作の思想・表現両面の分析から、生態系とコミュニティに関する思考と表現の特質の解明をめざす。
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研究実績の概要 |
本研究は、山尾三省の詩・評論を出発点として、消費社会に対する懐疑、循環する自然生態系への洞察、原始共産制への憧れ、進歩史観への懐疑といったテーマについて、現代的な意義を再検討するものである。 研究2年目となる本年度は、昨年に引き続いて基礎的な資料の探索、関係団体との関係構築を行うと共に、研究成果の発表・還元を行った。 「部族」の重要人物である鹿児島県薩摩川内出身の詩人ななおさかきの資料を所蔵しているナナオトラストでの調査を行った。屋久島白川山の山尾三省旧居にて調査を行い、蔵書のリスト化、日記・各種資料の探索を行った。この作業を通して、「部族」に関する基礎的な資料の存在を明らかにし、研究の基礎となる資料を多数発見することができた。 これらをデジタルスキャナーやデジタルカメラを用いて、高解像度でのスキャン、撮影を行った。これら資料は劣化が進んでいるが、デジタル化作業により、保存、研究の便をはかることができる。 また、山尾三省の旧蔵書には、書き込みが多数あるものがあり、彼の様々な文学作品の受容の様子を明らかにすることができる資料である。これらについても簡易的な撮影を行った。 研究成果の還元としては、山尾三省の命日「三省忌」において、山尾三省記念会行事として講演を行った。また、鹿児島読書サークルでも山尾三省、ななおさかきなどを題材に講演した。鹿児島県立短期大学の公開講座にて、「島から世界へ、つながる詩のことば カウンターカルチャーと鹿児島の島々」と題して講座を行った。また、山尾三省記念会の『事務局通信』、暮鳥会の雑誌『雲』に、研究成果を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに、山尾三省に関連する様々な資料の存在を明らかにしつつ、蒐集とデジタル化を進めることができている。また、その成果を還元することができている。 一方で、集めた資料の読み込み作業については今後時間をかけて行っていく必要がある。 また、山尾三省の執筆した文献についての書誌作成については、膨大な数にのぼるため、どこまで作業するかを含めて、今後の課題となる。また、山尾三省旧居に残る蔵書のリスト化についても、まだ一部行っている段階で、今後の作業について検討していく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、山尾三省旧居をはじめとした場所での調査活動を推進していく。また、当時の時代背景を記す資料なども進めていく必要がある。さらに、蒐集し、デジタル化を進めている資料について、丹念な読み込みを進めると共に、論文として成果を発表していくことを進める必要がある。
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