研究課題/領域番号 |
22K00354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02010:日本文学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
金子 貴昭 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 准教授 (20411150)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 近世出版 / 村上勘兵衛 / 出版記録 / デジタルアーカイブ / 板木 / 版木 / 近代初期出版 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、京都の板元・村上勘兵衛家が残した出版記録(村上家文書)の現存が明らかになった。村上は、商業出版の草創期、元和年間(1615~1623)に京都において創業した板元であり、明治に入ると『太政官日誌』の発行を政府から依頼され、新聞発行にも事業を展開した。 本研究は、最古参の板元であり、江戸時代から明治の時代転換期を通じて、出版界に重要な位置を占め続けた村上の出版記録を研究対象とし、17~19世紀にわたる出版産業の再検討を行う。それにより、近世および近代初期双方の出版の実態を明らかにするとともに、残存量の限られている出版記録という資料をオンラインで共有し、学界の研究基盤を拡充する。
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研究実績の概要 |
1. 京都の書肆・村上勘兵衛家の出版記録「村上家文書」(個人所蔵)について、立正大学日蓮教学研究所が編纂した『村上家文書目録』の書状之部「1)村上家関係」「2)板木譲渡」「3)蔵版支配」について、499カットのデジタルアーカイブ構築を進めた(2023年2~3月)。ただし、画像処理は次年度となる。また、関連の板本を収集し、デジタル化を行った上で、ARC古典籍ポータルデータベースに登録した(通年)。 2. 長野の書肆・伊藤甲造の旧蔵板木(個人所蔵)475点に対して、4,617カットのデジタルアーカイブを構築した(2022年8月)。デジタル画像については、過年度に実施した測定データとともにARC板木ポータルデータベースに登録し、適宜メタデータの付与を進めている。 3. 2に関連し、板木とともに保管されていた出版記録のデジタル化に着手し、当年度は1,079カットのデジタルアーカイブを構築した(2023年1~2月)。当該出版記録については、目録等が備わっておらず、デジタル化が完了したのも3分の1程度であるが、次年度以降もデジタル化を進めることにより、その全容を明らかにする。 4. 1~3を実施する過程で得た知見について、以下の成果発表を行った(予定を含む)。(1)出版研究における出版記録の位置づけ、村上家文書のデジタルアーカイブ構築の意義、それに付随する諸問題について2023年3月に学会発表を申請し、採択された(2023年6月、発表決定済)。2)本研究課題および過年度の研究成果を含めて、板木から得られる書誌学に関わる情報、出版研究に関わる板木と板株(版権)との連関についての情報をまとめた講演を行った(2022年11月)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デジタル化に際して、村上家文書目録と現存文書の照合、デジタル化に耐えられる保存状況か否かの確認等に想定以上の時間を要し、デジタル化の進捗に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
デジタル化以前に保存修復を必要とするか否かの確認は必須であるが、目録との照合はデジタル画像によって進め、齟齬がある場合は必要に応じて目録内容や文書原本の整理状況に反映させることとし、デジタル化の進捗を優先させる。
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