研究課題/領域番号 |
22K00359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 佑太 筑波大学, 芸術系, 准教授 (30803324)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 図譜 / 金石学 / 書法指南 / 双鉤 / 筆の持ち方 / 書論 / 書法 / 指南書 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、書論に付随的にみられる図譜に着目し、その展開を明らかにすることを主要な目的とし、主に歴史学(金石学)、教育学(書法の技法を伝授する書法指南書を中心に)という、2つの観点を主要な柱とし、図譜が清代の書論において果たした役割やその影響を考究するものである。従来、閑却視されてきた書論における「図譜」に着目することで、新たな書論研究の開拓を目指すとともに、ひいては江戸時代における中国書論の受容、民国期以降の書論への影響についても明らかにしていきたい。
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研究実績の概要 |
本研究は、語句や内容の研究が主流である書論研究に対して、これまで付随的であった「図譜」に着目し、その図譜が書論の内容に与えた影響や清代における図譜の展開を明らかにすることを目的とし、これにより新たな書論研究の可能性を目指すものである。 現段階では、①宋代からの伝統的な学問である、金石学という歴史的側面、②書法の技法を伝授する書法指南書という教育的側面の2つの観点を柱とし、研究を進めている。 2022年度は、上記2つの視点である、金石学、書法指南について、研究の基礎を築くべく、図譜をそなえた書論のリストアップを行った。 目下、特筆すべき点として、①金石学については、「写す」という学習法が一定程度、普及していたことから、文字を籠字にとる「双鉤」法を駆使した書論の新出があげられる。これについては以降の写真図版が普及する以前の、図譜をそなえた書論における特筆すべき現象ということができる。また②書法指南については、清代において活発に議論された筆法論も関連してか、筆の持ち方を図示した書論の新出も指摘できる。また元代に初出を確認できる、文字の筆順を示した書論については、明代以降ほぼ見られなかったにも関わらず、清代の複数の書論で確認することができた。この理由についても今後、更に考究していきたい。また近年、着目されつつある江戸時代の市河米庵の書論についても、上記①の影響ともいえる現象が想定される。これについて、江戸時代における中国書論の受容という観点からも考察を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、本研究の基礎を固めるべく、図譜を備えた書論のリストアップに終始してしまい、その内容的な考察にまで至らなかったため。また海外の図書館や研究機関等の調査が計画よりも遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、これまでにリストアップした書論の内容的な検討に着手し、その成果を研究会や学会で発表する予定である。少なくとも、本研究の柱である、金石学、書法指南のどちらかの視点に関する発表を行う予定である。また可能であれば、海外の図書館機関の調査を通して、未発見の指南書、書論の発掘にも努めたい。
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