研究課題/領域番号 |
22K00369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
三須 祐介 立命館大学, 文学部, 教授 (60339653)
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研究分担者 |
田村 容子 北海道大学, 文学研究院, 教授 (10434359)
松浦 恒雄 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 教授 (20173792)
藤野 真子 関西学院大学, 商学部, 教授 (20332653)
大野 陽介 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 客員研究員 (50915460)
中塚 亮 公益財団法人東洋文庫, 図書部, 奨励研究員 (60839679)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 中国演劇 / 上演記録 / 京劇 / 地方劇 / 民間 |
研究開始時の研究の概要 |
一回限りの時空間で行われる演劇上演の実態を分析する上で、上演資料は研究にとって不可欠であるが、それらが研究対象そのものになることはこれまであまり多くなかった。近年これら演劇資料などのデジタル・アーカイブ化が少しずつ進み、戯単や上演パンフレットといったエフェメラ資料それじたいが研究対象として大きな注目を集めている。本研究では、中国演劇上演資料のデジタル・アーカイブ化と公開を推進しつつ、それらが演劇の上演や再生産にどのように介入したのかを上演資料という「記録」と演劇(経験)の「記憶」の関係性に着目しながら、二〇世紀の中国演劇の上演実態を新たな視角からとらえ直し、二〇世紀中国の大衆文化学を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は、①戯単デジタル・アーカイブの最適化とそれに基づく演劇上演実態のさらなる解明、②戯単などの「記録」と、国家や劇団、俳優、観客などによって構築された「記憶」や演劇の再生産との関係性の解明である。 ①については、引き続き上海地域の伝統劇資料のデジタルアーカイブ化を進めており、特に23年度は部分的なメタデータの内容確認と、インターフェイスの問題点について検討するオンライン会議を数回行った。また、九州大学の濱文庫との具体的な協力関係を模索すべく、中里見敬教授(九州大学)との打ち合わせにも着手した。 ②については、やはり旧研究課題で進めた傅謹著『草根的力量』の翻訳作業は22年度にほぼ完成に近づいているが、諸事情で校閲作業を開始することができない状態にある。 研究分担者各自の研究は一定程度の成果を上げることができた。23年度は特に、研究分担者の大野陽介が刊行した『中国の農村演劇 伝統と革命』(関西学院大学出版会、2023年2月)について、森平崇文氏(立教大学教授)を迎え書評の会を兼ねた講演会を開催することができた。翻訳中の傅謹氏著作とも関係が深いこの学術成果は②の作業にもよい影響をもたらすと考える。 研究代表者は22年度に行った講演(演劇的な要素もある台湾中元節について)を文章化して公刊することができた。中国でのフィールド調査が依然としてままならない状況の中で、中華圏の「民間」文化の状況を今後どのように考えるか、台湾は重要な参照系となりうるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者が学部執行部の役職に就いたこともあり、翻訳作業は校閲の段階にまだ至っていない。戯単アーカイブについては、一部のメタデータの校閲作業及びオンラインでインターフェースの問題点の検討会を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
戯単アーカイブについては、メタデータの入力および校閲作業を引き続き進め、技術的に改善を進める作業を本格化させる。傅謹氏の著作の翻訳作業は24年度前半期までには翻訳を完全に完了させ、後半期には校閲の段階へと進めていく。
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