研究課題/領域番号 |
22K00371
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02020:中国文学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
藤野 真子 関西学院大学, 商学部, 教授 (20332653)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 越劇 / 中国演劇 / 上海 / 唱本 / 戯考 |
研究開始時の研究の概要 |
中国江南地区の代表的な地方劇である越劇の中華民国期における発展状況について、新聞や雑誌といった文字資料、レコードを中心とする音声資料、写真などの画像資料を用い、さまざまな角度から分析を行う。その際、俳優や舞台関係者を中心とする上演側と、観客や批評家といった需要側という異なる立場の視点に着目し、相互の影響関係について詳細な検討を行う。
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研究実績の概要 |
2023年度は研究対象とする地域の中国・上海に赴き、上海図書館近代文献部を訪問しての中華民国期越劇資料収集は諸事情で叶わなかった。代替として、夏季休暇を利用し、台湾・台北の国家図書館に赴き、民国期上海および江南地区における芸能・地方劇関連の資料を閲覧・収集した。当該図書館においては、中国とは異なる系統・種類の民国期関連叢書および研究論集が多数所蔵されており、本研究を進行するにあたり、一定の有意義な収穫があった。台湾では各種研究機関における中国伝統演劇の研究が盛んであり、市中の専門書店にて台湾で刊行された関連専門書籍を購入することができた。 国内においては、前年度に引き続き、収集済みで且つ未整理の中華民国期越劇テクストの複印、江南地区地方劇を専門に扱う小新聞、越劇および伝統劇関連専門誌について、整理・分類を行った。同時に、中国書専門書店を介して、中国国内で出版された伝統演劇関連の書籍・文献を購入、研究を進めるに当たっての参照および補助とした。これらの書籍・諸資料等を用いて、2023年度は論考「1940年代上海における越劇の位相 : 観客、小報、上演テクスト」(『言語と文化』第27号、p153-168、2024年3月刊行、関西学院大学)を刊行した。 その他、1000字程度の短いものではあるが、本科研によって入手した書籍や資料の一部を用いて中国伝統演劇関連の随筆(「中国伝統劇つれづれ」『日中友好新聞京都府連版』)を2023年6月より連載、越劇関連の文章も執筆し、現在に至るまで継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地の情勢等諸事情に鑑み、2022、2023年度ともに研究対象地である中国・上海への渡航が出来ていないことにより、本来目標としていた民国期越劇関連資料の収集が十分なものとはなっていない。代替として、国内および台湾にて資料の収集、書籍の購入を行っているが、当初想定の100%の代替とはなっていないのが実状である。 もっとも、こうした代替資料および既存資料を用いた研究自体は進んでおり、論文や関連文章の発表に至っている。最終年度とはなるが、2024年度は上海への渡航を予定しており、可能な限り当初計画していた内容・分量の資料を収集し、準備中の論考の完成に繋げたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」でも記したように、代替・既存資料を用いた研究自体は進めている。これに加え、2024年度は夏季休暇を用いて中国・上海へ渡航し、上海図書館近代文献部にて当初計画していた未見の民国期越劇関連資料の閲覧・収集を行うことを予定している。同時に、国内外にて関連書籍・文献の購入を行うことで、論考の作成・発表に繋げていく。加えて、近現代中国文芸関連のシンポ・研究会等での口頭発表も、可能であれば行う予定である。
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