研究課題/領域番号 |
22K00380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
長谷川 雅世 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 准教授 (30423867)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | Dickens / Masculinity / Professionalism / 男性観 / ヴィクトリア朝 / プロフェッショナリズム / 作家像 / チャールズ・ディケンズ / セルフメイド・マン / 帝国主義 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、チャールズ・ディケンズの8つのすべての後期長編小説を包括的かつ網羅的に扱い、彼の男性観を考察する。ただし、男性観というと主題が大きすぎる。そこで次の3つの事柄―セルフメイド・マン、プロフェッショナリズム、そして帝国主義―に焦点を絞り、それを考察する。これら3つの事柄はディケンズの男性観を形成している重要な要素であるだけでなく、ヴィクトリア朝の男性観、特に中流階級の男性観の重要な要素でもある。それゆえ、これらの3つ観点から考察することで、ディケンズの男性観のみならずヴィクトリア朝の男性観についても新たな例証と見解を提示することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究ではディケンズの後期8小説を扱うが、今年度はそのうちのHard TimesとDavid Copperfieldの2つの小説を分析し、論文を書き終えた。 Hard Timesに関しては、この小説が当時のプロフェッショナルたちの事実偏重主義とそれに伴う感情の軽視を批判していることを示し、ディケンズにとっての理想のプロフェッショナリズムとは何かを明らかにした。その成果を論文名"Contrasting Uses of Rhetoric in Hard Times"と"Fact versus Fancy among Victorian Professionals in Hard Times"として形にした。これらはそれぞれ国際誌The DickensianとDickens Quarterlyに査読を経て掲載された。 David Copperfieldに関しては、この小説からディケンズが考える新興のプロフェッショナルである小説家の理想を読み取り、その理想像はヴィクトリア朝社会が女性を束縛していた現実と女性作家が男性作家より不利な立場にあった現実とを反映したものであることを明らかにした。この分析を論文として投稿し、査読を経て国際誌に掲載されることとなった。論文は数か月以内に出版される予定である。 また、次に扱う作品であるLittle Dorritの研究も開始し、小説の読み込みを中心に行い、次年度の研究への準備をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究内容自体は順調であるが、David Copperfieldの研究に予定以上の時間がかかったため全体的な研究計画の予定にすこし遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
これから研究を進める小説のうちLittle DorritとOur Mutual Friendは研究主題が類似しているので、これらを同時に、或いは、続けて順番に研究することで時間的な遅れを取り戻す予定である。またこれら2つの小悦分析が終われば、最終年度に向けて研究全体の大枠が完成する。
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