研究課題/領域番号 |
22K00383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
志渡岡 理恵 実践女子大学, 文学部, 教授 (80597526)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ジェンダー / 女性誌 / 英語圏文学 / 小説 / 人種 / 女子教育 / キャリア形成 / イギリス / 文学 / キャリア / ライフライティング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀前半のイギリスにおける近代的女性像の構築と文学作品・雑誌の関係を、主に教育とキャリア形成の側面に注目し、解明する試みである。モダン・ガールやモダン・ウーマンという近代的女性像の構築と、キャリア・ガール小説やキャリア・ウーマンの回想録、女性誌の教育・職業に関する記事等との相互関係を明らかにし、今なお模索が続く女性の自立とキャリア形成の諸問題に新たな知見を提供することを目指す。
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研究実績の概要 |
2年目にあたる2023年度は、研究実施計画に従い、19世紀後半から20世紀前半に刊行された女性誌の教育・キャリア形成に関する記事を読み、当時の女性誌ではどのような情報が提供されていたのかを確認し、記事を分析して、そこには女性たちのどのような意識やライフスタイル(の変化)が読み取れるのかを明らかにすることを試みた。その成果の一部は、下田歌子記念女性総合研究所第5回研究会において、小泉朝子教授との共同発表「女性誌The Girl’s Own PaperとThe Woman’s Worldにおける教育とキャリア」というかたちで発信した。現在、この発表をもとにした共著論文を準備中である。 さらに、イギリスのダンディー大学で開催された国際学会Gothic Women Conference において、19世紀末の小説Florence MarryatのThe Blood of the Vampire(1897)に描きこまれた人種とジェンダーの問題について考察した研究成果を発表した。パネルの司会 Katie Garner氏やパネリストの Helena Ifill氏をはじめとする参加者からも多くの有益なコメントや情報を得ることができた。現在、この発表をもとにした研究論文を執筆中である。 また、女性の移動(旅)とジェンダーの関係についてのリサーチ成果の一部は、お茶の水女子大学で開催された日本オースティン協会第16回大会シンポジウム「摂政時代の女性/移動/旅」において、「移動、社交、表象――アン・バーナードの喜望峰への旅」と題した発表で公開した。シンポジウム司会の久野陽一氏、シンポジウム講師の新井潤美氏、吉野由利氏、フロアとの討議においても、様々な新たな知見を得ることができた。この発表をもとにした研究論文は『ジェイン・オースティン研究』第18号に掲載されることが決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2024年度は、それぞれ異なる資料にもとづく研究成果の発信を、下田歌子記念女性総合研究所の研究会、日本オースティン協会の大会、イギリス・ダンディー大学の国際学会の3か所で行うことができたため、研究はおおむね順調に進展していると言える。それに加え、9月にイギリスのケンブリッジ大学においても女子教育関連のリサーチを進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
3年目にあたる2024年度は、キャリア・ガール小説(Elinor M. Brent-Dyer,Kennelmaid Nanなど)をはじめとする働く女性が主人公の小説を分析することにより、仕事を持つ女性たちのライフスタイルや意識のありようについて考察する。また、イギリスにおける近代的女性像の構築に関与したと考えられるその他のテクストの分析を行う。 現時点で決定している研究成果の公開は、①4月にロンドン大学で開催される(hybrid)国際学会Borders and Borderlands Conferenceでの研究発表、②学会誌『ジェイン・オースティン研究』での論文掲載、③10月に同志社大学で開催されるイギリス・ロマン派学会設立50周年記念シンポジウムでの研究発表である。また、それ以外にも2本の論文を執筆中で、それらは2024年度中に所属学会の学会誌に投稿予定である。
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