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モダニズムと難民に関する学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00385
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02030:英文学および英語圏文学関連
研究機関上智大学

研究代表者

松本 朗  上智大学, 文学部, 教授 (00365678)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード英文学 / モダニズム / 難民 / イギリス文学 / ルポルタージュ / ジェンダー / 旅行記 / 戦争
研究開始時の研究の概要

本研究は、20世紀中葉に地中海沿岸地域を移動し、亡国者 (exile)、移住者 (refugee)、難民 (the displaced, the stateless)としての経験を書いた英国の作家を取り上げ、彼らが従来考えられてきたような「イギリス帝国主義の文脈に位置づけられる作家」というよりは、むしろBritish Council等の機関の活動を通じて現地の文化と交流し、その近代化・ヨーロッパ化の過程に関わることで、自身の文学を狭義のイギリス文学から引き剥がし、矛盾や断絶を含んだ経験を描くヨーロッパ・モダニズム文学の地図の中に再配置したことを明らかにする。それにより、最近のコスモポリタニズムと人道主義に関する議論に有益な視座を提示したい。

研究実績の概要

本研究の目的は、故郷を離れた移住者の作家によって代表されることが多い英国モダニズム文学の特徴に、移動と思想の自由を意味するコスモポリタニズムがあると比較的単純に見なされていることを批判的に再検討すべく、移住者作家の作品の多様性と矛盾を、ヨーロッパ周辺で難民経験をした作家の著作物と文化的活動を精査することで明らかにし、モダニズム文学と難民のテーマの関係を新たなかたちで解明することである。具体的には、20世紀中葉に地中海沿岸地域を移動し、亡国者 (exile)、移住者 (refugee)、難民 (the displaced, the stateless)としての経験を書いた英国の作家を取り上げ、彼らが従来考えられてきたような「イギリス帝国主義の文脈に位置づけられる作家」というよりは、むしろBritish Council等の機関の活動を通じて現地の文化と交流し、その近代化・ヨーロッパ化の過程に関わることで、自身の文学を狭義のイギリス文学から引き剥がし、矛盾や断絶を含んだ経験を描くヨーロッパ・モダニズム文学の地図の中に再配置したことを明らかにする。
上記の目的に沿い、2023年度は、モダニズム関係の研究書を引き続き収集しつつ読み進め、また、Olivia ManningとLaurence Durrellの文学テクストの分析を進めた。しかしながら、新型コロナウィルスの流行、および代表者の本務校での役職上の関係から、ロンドンのthe British Libraryに所蔵されている定期刊行物の調査、Personal Landscape (Durrellらイギリス詩人がカイロで刊行していた雑誌)の調査、および、ロンドンのBritish Film Instituteにおける1930年代の難民に関するDocumentary Filmの調査を行うことができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年夏にまだ新型コロナ肺炎の流行があり、また本務校で役職についていたため、海外の図書館に資料収集にでかけることができなかった。したがって、ロンドンのthe British Libraryに所蔵されている定期刊行物の調査、Personal Landscape (Durrellらイギリス詩人がカイロで刊行していた雑誌)の調査、および、ロンドンのBritish Film Instituteにおける1930年代の難民に関するDocumentary Filmの調査を行うことができていない。2022年度にアテネのBritish Councilで調査をする予定であったが、これも上記と同じ理由でできていないため、海外の図書館や施設での調査が全般的にやや遅れている。

今後の研究の推進方策

2024年度の後半にはイギリスかギリシアの図書館にでかけて資料収集を行うことを計画している。また、資料と文学テクスト、および先行研究の読み込みと分析を進めて、2025年度には国際学会で発表することを計画している。
海外の図書館あるいは施設で行う調査は、つぎのとおり。(a) The Anglo-Greek Review (ギリシアのBritish Councilのアテネ支部が刊行), (b) Prosperos (ギリシアのBritish CouncilのCorfu支部が刊行), (c) Symposio (ギリシアのBritish Council のPatras支部が刊行), (d) Personal Landscape (Durrellらイギリス詩人がカイロで刊行していた雑誌をロンドンのBritish Libraryで調査), (e) 1930年代の難民に関するDocumentary Filmの調査(ロンドンのBritish Film Instituteで調査)。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [学会発表] 「女性知識人とルポルタージュ――レベッカ・ウェストが考える文化、戦争、ヨーロッパ」、シンポジウム「ルポルタージュ・フィクション・戦争――1930-40年代の英語圏文学」(司会 川端康雄、講師 三枝和彦、松本 朗)2022

    • 著者名/発表者名
      松本朗
    • 学会等名
      日本英文学会東北支部第77回大会(於 岩手大学上田キャンパス教育学部)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] 『書くことはレジスタンスーー第二次世界大戦とイギリス女性作家たち』2023

    • 著者名/発表者名
      河内恵子編著、麻生えりか・生駒夏美・遠藤不比人・松本朗・原田範行・秦邦生著
    • 総ページ数
      252
    • 出版者
      音羽書房鶴見書店
    • ISBN
      9784755304361
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 『自然・風土・環境の英米文学』2022

    • 著者名/発表者名
      富士川義之・結城英雄・東雄一郎編著(松本朗 共著者)
    • 総ページ数
      464
    • 出版者
      金星堂
    • ISBN
      9784764712164
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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