研究課題/領域番号 |
22K00388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
大場 昌子 日本女子大学, 文学部, 教授 (80160612)
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研究分担者 |
伊達 雅彦 尚美学園大学, 総合政策学部, 教授(移行) (00254889)
坂野 明子 専修大学, その他部局等, 名誉教授 (20153900)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ユダヤ系アメリカ文学 / 集合的記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀初頭の移民第一世代を端緒とするユダヤ系アメリカ文学について、文芸評論家のアーヴィング・ハウは、移民2世世代の活躍が顕著だった1970年代が興隆のピークであり、それ以降については悲観的との見解を示していた。しかし最近の数々の研究は、後続世代においてもユダヤ系作家が民族の記憶を保持しながら新たな創造力を獲得している状況を明示している。本研究では「集合的記憶」の概念を補助線として、現代に至る1世紀間のユダヤ系アメリカ文学を俯瞰し、文学的想像力/創造力におけるユダヤ性の本質解明を試みる。
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研究実績の概要 |
2022年度は当初の計画に従って、以下のとおり3回の研究会を開催し、議論を行った。研究会に際しては、事前に当該テキストおよび映像データを全員に配布した。 ① 7月23日、発表者:大場昌子、「Maurice Halbwachs, On Collective Memoryについて」 ②12月10日、発表者:坂野明子、「Michael Chabon, The Final Solutionについて」 ③ 3月11日、発表者:伊達雅彦、「『ヒトラーを欺いた黄色い星』とホロコースト映画の手法」 第1回研究会ではHalbwachsが主張する「集合的記憶」の主要概念について、On Collective Memory の要点を章ごとに確認する形で大場が発表を行い、全員で同書における概念について一定の共通理解をもつことを目指した。ディスカッションの中で、「集合的記憶」が社会学の文脈で論じられている点が指摘され、文学テクスト研究に応用する場合の注意点を確認しておく必要性を共有した。第2回は、現在活躍中のユダヤ系アメリカ人作家Chabonがホロコーストをいかにテクストに書き込んでいるかについて坂野が発表し、同作家がジャンル小説に関して特に意見表明している点も含めて、活発な議論が行われた。第3回は、ホロコースト生存者へのインタビューと彼らが語る内容を再現する映像をもとに制作された映像作品について伊達が発表し、ホロコーストを扱う映画の手法が21世紀に入りさらに変容している事例を確認した。ただし、生存者へのインタビューを扱う、いわばノンフィクションの作品をどのように扱うべきかについては課題が残った。またアメリカ合衆国制作の映像作品の把握も今後特化して行う必要を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
課題初年度であり、当初の計画に照らして遅滞なく研究活動を進めることができた。また、各人が分担する個別テーマの研究遂行についても順調であることが確認できている。 本研究課題では、「集合的記憶」という基本概念について、研究分担者、研究協力者間で認識を同程度に深めることが不可欠であり、今年度はその点にとくに傾注したが、今後も継続的に注意を払っていく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も当初の計画に沿って定例研究会を開催して共同研究を行う。併せて、各人の個別テーマについても全員でディスカッションを行い、本研究課題における包括性、および扱う作品のバランスの担保に努める。その上で、2024年度に計画しているシンポジウムについて具体的な実行案を検討し、シンポジウムの議論の柱を確定する。
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