研究課題/領域番号 |
22K00392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
ウェルズ 恵子 立命館大学, 文学部, 教授 (30206627)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 文化変容 / 歌詞 / ラブソング / アメリカ / 音楽文化 / ポピュラー音楽 / ミュージカル / アメリカ黒人文化 / ヴァナキュラー文化 / アメリカ文学 / ジャズ・ブルーズ |
研究開始時の研究の概要 |
20世紀初頭のアメリカで大衆歌謡のテーマは恋愛に集中する。愛の歌の歴史は中世に始まるものの、19世紀まで恋愛は歌詞のテーマの一つに過ぎなかった。現代型ラブソングはブロードウェイ・ミュージカルを出発点の一つとし、レコードとラジオによって拡散した。後年、ミュージカル起源のラブソングがブルーズやジャズソングとして受容されている。本研究は、19世紀末から20世紀中葉までのラブソングの歌詞と作詞家および購買層に注目しつつ、(1)世俗歌としてのラブソングの歴史、(2)アメリカ社会の動向とラブソングの流行、(3)作詞家たちの経験と歌の特質、(4)ラブソングの流通におけるアフリカ系アメリカ人の立場と影響力、について明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、19世紀末から20世紀中葉までのラブソングの歌詞と作詞家および購買層に注目し(1)世俗歌としてのラブソングの歴史、(2)アメリカ社会の動向とラブソングの流行、(3)作詞家たちの経験と歌の特質、(4)ラブソングの流通におけるアフリカ系アメリカ人の立場と影響力を明らかにすることである。 22年度は、初期のブロードウェイ・ミュージカルから生まれたラブソングと作詞者を詳しく見て、以下の知見を得た。 初期ブロードウェイ・ミュージカルのラブソングは、「あなたと私」の世界を好んで描き世界中にファンを得た。日常的なロマンスを夢見ることや単純な英語の表現、装飾の少ない直感的な歌詞が特徴である。N Y他の欧米近代都市生活者に広く受け入れられつつ、「低級文化」と蔑められない工夫が歌詞に施されていた。1920-30年代のこれらの歌は、20世紀後半に電波音楽技術が発展する中で、歌手の個性や映像の場面と強く結びつけられ再生されている。新しい時代と場面に適応可能な要素がある歌や歌唱によって、1920-30年代の歌がポピュラーソングのスタンダードナンバーとして今も生きている。 23年度は60年代に焦点を当て、黒人アーチストによる新解釈や黒人音楽の影響を受けたリメイクについて研究を進め、以下の知見を得た。 上述のタイプの歌は、黒人社会での男女関係の特質が歌詞に現れている。女性側に男性を選ぶ自由があり、男性が歌い手設定の場合は女性が現実社会のメタファーになることなどが特徴である。60年代の人権意識の高まりの中での、ラブソングにおけるこのようなパワーバランスの逆転がフリーダムソングへの影響はまだ追及できていない。また黒人系のラブソングが商業的に成功していくうち上記の特徴がどう変化したかを追う必要があル。おそらくは20-30年代から続くラブソングの特色と擦り合わせる現象が起きていたと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進捗に問題は無い
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今後の研究の推進方策 |
24年度は (1)「世俗歌としてのラブソングの歴史」を見る上で、ヨーロッパを含めた大きな枠組みで捉え概説したい。 また、22年度に追及した次の2点をさらに詳しく調べる:(2)アメリカ社会の動向とラブソングの流行、(3)作詞家たちの経験と歌の特質。 そして個別の作品分析を始める。
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