研究課題/領域番号 |
22K00395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
秋元 孝文 甲南大学, 文学部, 教授 (70330404)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エトガル・ケレット / ユダヤ / イスラエル / ハマス / オースター / Nicole Krauss / Etgar Keret / Uzi Weil / ユダヤ文学 / ホロコースト / ユダヤ系 / アメリカ |
研究開始時の研究の概要 |
現代アメリカとイスラエルのユダヤ系作家たちには、お互いを近親者のように捉え、相互の文化のいずれをも自らのhomeとする創作姿勢がみられる。「アメリカ文学」「イスラエル文学」といった国民文学的枠組みに基づいた文学研究からはこぼれ落ちてしまうこういった国境横断的ユダヤ文学の現象を、①作家同士の個人的交流、②ホロコーストという記憶の継承、③イスラエルとアメリカの言説的相互影響関係影、の3つの&視点から考察し、共時的な現象として捉える分野横断的なユダヤ文学研究を目指す。イスラエル人作家 Etgar Keretの翻訳者として、米・イスラエルの双方に関わってきた応募者の利点を生かした国境横断的ユダヤ文学研究を行う。
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研究実績の概要 |
23年7月に「アメリカのエレミアと女神の嘆きーポール・オースター『リヴァイアサン』にみるレーガン時代とアメリカ例外主義のレトリック」を『アメリカ大統領と文学』 にて発表(424 - 441)。本課題との直接的な関係はまだないが、アメリカのユダヤ系作家であり、イスラエルやホロコーストへの言及が少ない(と言うことは意識的・無意識的な抑圧があるゆえかもしれない)オースターについて、レーガン期のアメリカとアメリカのナラティブとの関わりから論じた。
24年12月発売の『新潮』1月号にて「作家エトガル・ケレットは今イスラエルで何を考えているか(構成・インタビュー・訳)秋元孝文」を発表。10月7日に起こったハマスによるテロからまだ45日ほどしか経っていない混乱にあるなか、本研究課題の中心に位置するイスラエル作家エトガル・ケレットが今回の事態をいかに受け止め、何を考えているのかを、彼の書いたエッセイの翻訳と本人への秋元によるインタビューで記事化した。人々の共感が党派的で「選択的」になっていることにケレットは警鐘を鳴らす。サバイバー2世である彼の思想を考察するのに有益な材料となるだろう。
夏に予定していたNYCでのリサーチが、学内の宿泊費規程に対してNYCの宿泊費があまりにも高く、結構すれば多額の自費での支出が発生するため断念せざるを得なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
夏にはNYCでのリサーチを計画していたが、科研費が受給されているにもかかわらず、学内規程の宿泊費上限が22500円とNYCの現在の宿泊費の実態と著しく乖離しており、リサーチに行った場合数十万円の自費の支出を強いられることになるため、やむなく断念した。
この宿泊費についてのローカルルールのせいで海外に行けないという話はよく耳にするので、各研究機関に実態に合わせて改めるようJSPSからご指導頂ければ幸いである。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は幸い在外研究で一年間を海外で過ごすことができ、リサーチに行けるチャンスも多い(これまた所属機関の宿泊費規程がネックになって自費の支出を強いられることも予想されるが)上に、受け入れ先のCity University of New YorkのJessica Lang教授の指導のもと様々な研究上の助言をいただいており、また秋にはjewish American and Holocaust Literatureの学会での発表を勧められている。イスラエルでの戦争の状況次第ではあるが、可能であれば数ヶ月だけでもイスラエルにわたり、Tel Aviv大学のSnia Weiner教授の元研究活動をしたいと考えている。
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