研究課題/領域番号 |
22K00398
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
澤田 真一 弘前大学, 人文社会科学部, 准教授 (30250624)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ニュージーランド文学 / マオリ文学 / キリスト教 / マオリタンガ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ニュージーランドのマオリ作家および混血の作家たちが、植民地下の同化政策とその後の権利回復運動という歴史の流れの中で、文学作品を通じて社会とどのような対話を繰り広げてきたのかを、ふたつのコードを用いて作品を解釈することで丹念に辿り、コロニアルな(抑圧的な)状況を経たからこそ生まれ出た彼らの多文化共生の思想が、どのように国民的なアイデンティティの形成に影響を及ぼしていったのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、ニュージーランドの先住民族であるマオリ人作家たちが、植民地下の同化政策とその後の権利回復運動という歴史の流れの中で、小説や詩を通じて社会とどのような対話を繰り広げてきたのかを、マオリ神話と聖書というふたつの文学解読のためのコードを用いることで明らかにしていくことを目的としている。英文学においては長きにわたり、聖書が読解のための唯一のコードとして機能してきたが、マオリ作家たちはマオリ神話という独自のコードを用いることで物語の中に、白人には理解しえないメッセージを埋め込んできた。 2023年度は主に、前年度のニュージーランド訪問時にオークランドとダニーデンで収集した書籍と資料を用いて研究を進めていった。特にニュージーランドを代表するマオリ人作家Witi Ihimaera, Keri Hulm, Patricia Graceに焦点をあてて、作品の読解を行うことと並行して、ニュージーランドの歴史家Keith Sinclair、Michael King、宗教史家Bronwyn Elsmore、Keith Newmanらの著作をもとにキリスト教とマオリ宗教の相克についての研究をすすめた。 本研究の成果のひとつとして、2024年出版予定の『オセアニア文化事典』(丸善出版)では、「マオリ文学」の執筆を担当し、マオリ文学の歴史、テーマ、また現在活躍している作家たちについて紹介した。また、2024年6月開催予定の日本ニュージーランド学会研究大会公開シンポジウムでは、パネリストのひとりとして「マオリ文学におけるケアの思想」について発表することが決定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は2022年度のニュージーランド訪問時にオークランドとダニーデンで収集した書籍・資料を用いて研究を進めていった。特にニュージーランドを代表する3人のマオリ人作家:Witi Ihimaera, Keri Hulm, Patricia Graceの作品に焦点をあてて、作品の読解を行った。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、2024年6月開催予定の日本ニュージーランド学会研究大会において、研究成果の一部についての発表を行う予定である。時間的に可能であるならば、再度ニュージーランドを訪れて、必要な資料をそろえ、論文の作成に取りかかりたい。
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