研究課題/領域番号 |
22K00419
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
園田 暁子 福岡大学, 人文学部, 教授 (00434564)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 著作権 / 財産権 / フェビアン主義 / 英文学 / インセンティブ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、著作権をめぐる議論が活発に行われ、法改正や国際条約の制定も行われた19世紀から20世紀後半の時代に力点を置きつつ、17世紀以降今日に至るまで、何が文学者の創作への原動力となったのか、そしてそれぞれの時代の著作権法は彼らのインセンティブを高めることが出来たのかについて、ケーススタディを行い、文学者と著作権の関係についての具体的で包括的な研究にまとめることを目的としている。
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研究実績の概要 |
2023年度には、19世紀から20世紀の前半にかけて文筆活動をおこなった女性の文学者たちを中心に研究を進めた。この時代には、女性、特に、結婚した女性の財産は、法律的に同一の人格と見なされた夫のものとされるなど、男性と比べた際に不安定な状況にあった。自ら得た収入を自分のものとできると定めた1870年の法律と完全に財産処分の権利が認められた1882年の法律によって状況は段階的に改善されてきたが、そのような時代の流れの中で、経済的自立を果たそうと試みたり、実際に自立を果たしてきた女性作家たちの著作権に対する意識の変化を調査した。また、同時代に活躍したオスカー・ワイルドなどとの比較を行い、女性と男性の作家では、自らの経済的権利と作品の取り扱いをめぐる意識にどのような違いがあるか、考察を行った。 作品がますます国際的に流通するようになるとともに、二国間条約とベルヌ条約をはじめとする多国間条約により、著作権が保護されるようになるなど、著作者の権利がより認められるようになるという大きな流れの中で、今年度の研究で得られた結果を捉え直すという視点も重要だと考えられるので、その点でも考察を進めている。 また、著作権をめぐる意識の変遷をたどる中で、ロマン主義の時代は、当初予想していたよりも、より重要な転換点であることが分かってきたので、1814年と1842年の著作権法改正をめぐる議論についての研究も開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度計画していた作家についての研究を進めることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、ロマン派の時代を軸にそれ以前の17~18世紀の文学者たちのケーススタディを進めていく予定である。
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