研究課題/領域番号 |
22K00460
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤田 恭子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (80241561)
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研究分担者 |
鈴木 道男 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (20187769)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マイノリティ / ブコヴィナ / トランシルヴァニア / ディアスポラ / ナチズム / アメリカ / イスラエル |
研究開始時の研究の概要 |
第一次世界大戦後にルーマニア領となった旧ハプスブルク帝国(オーストリア)領ブコヴィナやトランシルヴァニア等のユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者住民は、第二次世界大戦期にホロコーストの被害者と加害者となり、戦後は拡散と孤立の歴史を辿った。 本研究では、ユダヤ系ドイツ語詩人たちのルーマニアやアメリカ、イスラエル、ブラジル等における活動、またドイツ系ドイツ語詩人・作家たちのルーマニアおよびドイツやオーストリアにおける活動について、文芸誌や文化誌、新聞の文芸欄、遺品中の書簡等を精査し、作品創作と受容双方の視点から解明する。 研究を通し、多様性を内在させた新たな「ドイツ語文学」像の可能性を提示する。
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研究実績の概要 |
第一次世界大戦後にルーマニア領となった旧ハプスブルク帝国領ブコヴィナやトランシルヴァニア等のユダヤ系およびドイツ系ドイツ語話者住民は、後者がナチズムに同調したことで第二次世界大戦期にホロコーストの被害者と加害者となり、戦後は拡散と孤立の歴史を辿った。ユダヤ系の多くは南北アメリカ大陸やイスラエルなどに移住した。ドイツ系の多くはルーマニアに残留したが、1989年の東欧革命を経て、多くがドイツに移住した。 本研究では、ユダヤ系ドイツ語詩人たちやドイツ系ドイツ語詩人・作家たちの活動について、文芸誌や文化誌、新聞の文芸欄ならびに遺品中の書簡等を精査し、作品創作と受容双方の視点から解明する。 本研究では、藤田(研究代表者)と鈴木(研究分担者)が従来携わってきた研究テーマとの親近性に基づき、藤田がユダヤ系、鈴木がドイツ系詩人・作家を担当するが、相互に情報交換し議論を行う。2022年度秋まで国外での調査に制限があり、年度中は延長申請していた前年度までの科研の調査があったため、刊行資料とデジタル化された資料の収集を行った。 藤田は主にアメリカで活動したアルフレート・ゴング(1920-1981)の著作の入手と整理を行い、また詩人ローゼ・アウスレンダーに関する刊行資料の整理とデジタル資料の収集を行った。 鈴木は、ルーマニアに残留したトランシルヴァニアのドイツ系住民がアイデンティティの核としているプロテスタントの信仰とドイツ人としての文化的自覚との関係を解明するべく、マルティン・ルターとドイツの古典主義の詩人フリードリヒ・シラーとの関係に関する言説を中心に分析した。この言説は、ドイツに移住したドイツ系住民を支えてきた同郷人会の活動を理解するうえで重要であり、同時に、同郷人会の言説に対する批判を理解することは、ドイツ語圏諸国におけるルーマニア・ドイツ語文学受容を理解するうえで重要な視点でもある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究にとって国外での調査は必須であるが、コロナ禍により2022年秋まで国外への渡航に制限があり、渡航が可能となった時期には、延長を申請していた2021年度までの科研費プロジェクトの調査を優先せざるをえなかった。そのため、2022年度の本プロジェクトの調査は刊行資料の入手やデジタル資料の収集を中心に進めた。
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今後の研究の推進方策 |
国外での調査の制限がなくなったため、状況に変化がなければ、今後は計画に沿って調査を進めることができる。
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