研究課題/領域番号 |
22K00464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鎌田 隆行 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (30436985)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | バルザック / フランス文学 / 十九世紀小説 / 生成論 / 題名 |
研究開始時の研究の概要 |
19世紀フランスの代表的な作家であるオノレ・ド・バルザック(1799-1850)の数多い作品群を「題名」という観点から多角的に考察する。バルザックの膨大な作品(および実現しなかった計画)の題名はまだ十全に包括的な論考の対象となっていないので、これら題名群の集積と分析を目的とし、①題名の総覧化、②題名の生成論的分析、③題名の解釈的分析を行う。これにより、バルザックの作品の題名学的研究という新しい領野の本格的な開拓を目指す。
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研究実績の概要 |
1.前年に引き続き、十九世紀フランス文学や生成批評全般に関連する版本、参考書籍、各種資料を幅広く収集・参照し、同時代におけるフランスの文学生産の状況と作品の題名の関係を検討した。 2.最新のバルザック研究の状況について国内外の研究者との意見交換を行なった。特に、フランス出張の機会のアポイントメントやメールによる連絡を利用し、バルザックの作品に関する最新の研究成果やアプローチについて議論し、特にリヨン高等師範学校のエリック・ボルダス教授やランス大学のナタリー・プライス教授からは本課題に直結するバルザックの未完作品の研究状況やエディション準備の現状について有益な情報を得た。 3.バルザックの創作ノート『パンセ・主題・断片』の調査を進め、エルヴェ・ヨンによる2023年版エディションに基づいて、『十九世紀風俗研究』の構築過程における上位タイトル(「研究」、「情景」)および収録作品タイトルのラインナップについて、情報を総合し、分析を行った。その成果は研究発表「『パンセ・主題・断片』における『十九世紀風俗研究』のプラン」および論文「バルザックの題名統括――『パンセ・主題・断片』における『十九世紀風俗研究』のケース」で公開した。 4.このほか、文学理論の入門書(共著)における生成論の解説論文を1件、『人間喜劇』における題名と登場人物の派生現象に関わる論文1件、バルザックの未完作品とエディションに関する論文1件を刊行し、最新の電子版エディションの状況と課題を論じる研究発表1件、『セザール・ビロトー』の生成過程(題名の変化を含む)研究発表1件を行った。 5.バルザックによる『人間喜劇』補完計画「1845年のカタログ」の未完作品(50作品)の題名収集と基礎的な分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度前期に予定していたフランス出張(新型コロナウイルスの感染状況のため、取りやめ)を補完するため、2023年度内に二回のフランス出張による資料調査を予定していたが、日程調整の理由から一度のみの現地調査となったため、原資料の調査の一部に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に行った『パンセ・主題・断片』の調査を継続し、『人間喜劇』フュルヌ版刊行準備段階、刊行時およびそれ以後の再版計画における作品のラインナップを分析し、題名の出現、維持・改変(あるいは消滅)の様態を考察する。これと関連し、「1845年のカタログ」の未完作品の生成過程の分析を進める。 これらに関連する原資料についての現地調査の実施、紀要論文の刊行、研究会等での口頭発表を予定している。
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