研究課題/領域番号 |
22K00467
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
奥 彩子 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (90513169)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ユーゴスラヴィア / 南スラヴ / 文学 / バルカン / 世界文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究における基礎資料となるのは、雑誌『南方文芸』である。『南方文芸』はザグレブ(クロアチア)で1918年から19年まで隔週で刊行された文芸誌で、「ユーゴスラヴィア文学」の土台を作った雑誌と位置づけられている。寄稿者としてはアンドリッチをはじめ、スロヴェニア、クロアチア、セルビアから名だたる文学者が参加していた。誌上では統一体としての「ユーゴスラヴィア文学」の構築の必要性がうたわれ、その在り方が議論された。多様性に配慮して、ラテン文字とキリル文字の二文字が混在する構成も特徴である。
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研究実績の概要 |
本研究では、20世紀前半の統一国家の黎明期を中心に、「ユーゴスラヴィア文学」がどのようなものとして構想されたかを明らかにすることを目的としている。 2年目にあたる2023年度は、クロアチア、スロヴェニアの文学状況について研究調査を行った。スロヴェニアでは、スロヴェニア現代史博物館や書店、また、セルビア・クロアチア語の古書店を訪れ、旧ユーゴスラヴィアについてスロヴェニアでどのように語られているかを調査した。またリュブリャナ大学比較文学科教授からスロヴェニア文学の歴史についてレクチャーを受けた。スロヴェニアで20世紀前半に刊行されていた文芸誌についての調査を行った。 クロアチアについては、クロアチア出身の作家ドゥブラヴカ・ウグレシッチについての論文を執筆し、小説『きつね』の翻訳の刊行をした(白水社)。ウグレシッチは1949年生まれの作家であり、ザグレブ大学で比較文学とロシア文学を専攻し、ザグレブ大学文学理論研究所に在籍した経歴を持つ。研究対象はロシア・アヴァンギャルドであり、自伝的創作である『きつね』には、彼女の研究関心である1920年代・30年代のロシアにおける文学状況も盛り込まれている。さらに、クロアチアの作家ヴラディミル・ナゾルについての調査を開始した。ナゾル(1876-1949)は20世紀前半のクロアチア文学を代表する作家の一人である。沿岸地域に生まれ、地域言語を用いたことでも知られており、地域文学と国民文学との関係性を考えるうえで重要な作家である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果を出すとともに、次年度の研究に向けた準備を進められたため。
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今後の研究の推進方策 |
ヌシッチ作品の出版、ナゾルの研究、スロヴェニアの雑誌研究を進めていきたい。
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