研究課題/領域番号 |
22K00479
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
猪俣 紀子 茨城大学, 人文社会科学部, 准教授 (20734487)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | パリジェンヌ / 日仏交流 / フランスイメージ / フランス文化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本におけるフランス文化の移入に関して、日本人女性がイメージする「パリジェンヌ幻想」がいかに構築され、どのような変遷を経て現在に至ったのかを歴史的かつ社会学的に明らかにすることを目的としている。 本研究で重視するのは、戦前(1920-40年代)のフランスの女性雑誌メディアで形成された「パリジェンヌ・イメージ」と戦後日本女性による「パリジェンヌ幻想」との比較である。日仏の比較研究を行うことで、今日に至る日本女性の理想を投影したパリジェンヌ像がいかにして形成されたのかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本におけるフランス文化の移入に関して、日本人女性がイメージする「パリジェンヌ幻想」がいかに構築され、どのような変遷を経て現在に至ったのかを歴史的かつ社会学的に明らかにすることを目的としている。本研究で重視するのは、戦前(1920-40年代)のフランスの女性雑誌メディアで形成された「パリジェンヌイメージ」と戦後日本女性による「パリジェンヌ幻想」との比較である。 20世紀に入ってフランスでも女性雑誌メディアが発達し、とくに第一次大戦の1920~30年代には新しい女性像、フランス女性のイメージ、とりわけ「パリジェンヌ」のイメージがつくられた。今日に至る日本女性の理想を投影したパリジェンヌ像がいかにして形成されたのかを明らかにするため、日仏の比較研究を行う。 今年度は、フランスにおける現地調査を行った。レンヌ第一大学、リヨン第三大学で戦後日本におけるパリジェンヌイメージについての講演を行い、所属する大学院生へパリジェンヌについてのアンケート調査を実施した。一部の学生からはアンケートに加えてより詳細なレポートを回収できており、若い世代のフランス人におけるパリジェンヌイメージの分析が可能となった。 また、調査を行った大学のうちのひとつ、リヨン第三大学はイタリア、スイスに近い南東部のフランス第二の都市圏、リヨンに位置する。リヨンは紀元前から交通・経済の要所として栄え、パリとは異なる歴史と文化を培ってきた。明治初期にフランスで初めて日本領事館が置かれた地であり、横浜正金銀行や絹織物などに関連して日本との交流関係に長い歴史のある都市でもある。パリで行う調査とは違いがみられると予測でき、この結果をもとに、フランスの地方におけるパリジェンヌイメージについても比較分析することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フランスの大学でパリジェンヌイメージアンケートを実施し、サバティカル期間のフランス滞在を十分に生かした調査を行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
フランスでのアンケート調査の分析を進める。また、引き続きフランスにおける戦前、戦後のパリジェンヌイメージについて明らかにする。 フランスで形成されたパリジェンヌイメージが、戦後の日本にどのようにもたらされたのか。類似点、相違点を明らかにすることによって、日本のパリジェンヌ幻想の特異性が浮き彫りになるだろう。その結果をもとに、引き続き今回のテーマである20世紀日仏の女性メディアにおける「パリジェンヌ幻想」の領域横断的比較を行う。
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