研究課題/領域番号 |
22K00483
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02050:文学一般関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中島 淑恵 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (20293277)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラフカディオ・ハーン / ヘルン文庫 / 比較文学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ラフカディオ・ハーンの著作に反映された世界の民話・神話および伝承を解明するために、富山大学附属図書館所蔵小泉八雲旧蔵書(通称ヘルン文庫)の書き込み調査を基盤として、国内外各地の現地調査、文献収集を行うことによって、ハーンの著作の歴史的文学的意義を明らかにしようとするものである。国内においては、ハーンが滞在・旅行した鳥取、島根、熊本、神戸、焼津、横浜、東京において調査を行い、国外においては、マルティニークを中心に、その民話や伝承の根源であると考えられるモーリシャスおよびフランス本土における調査を加えてハーンの著作を広くクレール世界の民話や伝承の受容の中に位置づけることを目標としている。
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研究実績の概要 |
本研究は、ラフカディオ・ハーンの著作に反映された世界の民話・神話および伝承を解明するために、富山大学附属図書館所蔵小泉八雲旧蔵書(通称ヘルン文庫)の書き込み調査を基盤として、国内外各地の現地調査、文献収集を行うことによって、ハーンの著作の歴史的文学的意義を明らかにしようとするものである。 令和5年度は、令和4年度に得られた成果を踏まえて、ヘルン文庫の関連図書の書き込み調査を中心とした研究をさらに進めると同時に、フレンチ・クレオールへ共通の民話世界の広がりの中でハーンのマルティニークにおける取材ノートや作品に反映されている民話や神話あるいは伝承の根源を探求するために、モーリシャスおよび(ブルターニュ地方とパリを中心とする)フランスでの現地調査と文献収集を行なう予定であったが、令和6年度に予定していたアイルランドおよび英国における民話と伝承およびそれらのハーンへの影響についての現地調査および文献調査を優先させて行うこととした。アイルランドではユニヴァーシティ・カレッジ・オブ・ダブリンで講演を行うと同時に、関連研究者との意見交換や文献調査、現地調査を行った。イギリスでも国立図書館等で文献調査を行った。また、フランスでも各地の民話と伝承についてフランス国立図書館で文献調査を行った。これらの調査の成果は逐次論文として発表を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は、令和4年度に得られた成果を踏まえて、ヘルン文庫の関連図書の書き込み調査を中心とした研究をさらに進めると同時に、フレンチ・クレオールへ共通の民話世界の広がりの中でハーンのマルティニークにおける取材ノートや作品に反映されている民話や神話あるいは伝承の根源を探求するために、モーリシャスおよび(ブルターニュ地方とパリを中心とする)フランスでの現地調査と文献収集を行なう予定であったが、令和6年度に予定していたアイルランドおよび英国における民話と伝承およびそれらのハーンへの影響についての現地調査および文献調査を優先させて行うこととした。本年度は当初マルティニークおよびモーリシャスで現地調査と文献研究を行う予定であったが、コロナ禍以降の混乱等で受け入れ態勢が先に整った、令和6年度に現地調査及び文献調査を予定していたアイルランドと英国での現地調査と文献調査を先に行うこととした。幸いアイルランドでマルティニークの関連研究者とも意見交換することができたので、令和6年度はマルティニークでの調査を行う予定である。また、国内収蔵資料についても今年度の調査で関連文献が相当するあることが判明したため、これも令和6年度に集中的に現地調査を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度が本課題の最終年度であるが、これまでの書き込み調査をさらに推進すると同時に、昨年度実現できなかったマルティニークに赴いて現地調査を行い、マルティニークの民話や伝承がハーンの著作にどのような影響を与えているのかについて、現地調査と文献収集を行うことにしたい。そのうえで、それらの民話や伝承がフレンチ・クレオールの民話や神話世界の中でどのような広がりを持っているのかについて考察し、論考をまとめることとしたい。また、関連文献等について国内にも未確認の文献が多数あることがこれまでの調査により判明したので、松江の小泉八雲記念館および新潟の池田記念美術館における調査はぜひ行いたいと考えている。また、こうして得られた成果を論文の形で発表すると同時に、講演会なども精力的に行い、研究の成果を広く世間に公表するため著書の形で発表したいと考えている。
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