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主要部後置構造の学習を事例とするミニマリスト文法を用いた評価尺度の構築とその深化

研究課題

研究課題/領域番号 22K00502
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関横浜国立大学

研究代表者

藤井 友比呂  横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (40513651)

研究分担者 森 辰則  横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 教授 (70212264)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード刺激の貧困 / 文法獲得 / 間接証拠 / 主要部後置 / ミニマリスト文法
研究開始時の研究の概要

データと矛盾しない複数の文法が存在する言語獲得の状況で、学習者はどのように正しい文法を選ぶのであろうか。言語理論ではその草創期から、学習者には複数の文法から(インプットコーパスを生成できるなら)「より単純な」文法を選ぶ仕組み(評価尺度)が備わっている可能性が検討されたが、経験的な射程はあまり広がらなかった。しかし21世紀に入って計算論的な提案が出てきている。本研究は、そのような定量的な文法評価の手法を、文法理論的により洗練された評価尺度を構築する。そのような評価尺度は、語順変換や省略といった様々な構文で起こりうる学習可能性の問題のより定量的な定式化を可能にする。

研究実績の概要

データと矛盾しない複数の文法が存在する言語獲得の状況で、学習者はどのように正しい文法を選ぶのであろうか。本課題は、「より単純な」文法を選ぶ仕組み(評価尺度)の研究を行う。
本研究の準備段階(Fujii and Yamashita 2020)では、日本語句構造の仮説比較、とくに主要部補部型と呼ぶ文法と主要部主要部型と呼ぶ文法の尤度の比較が行えていなかったが、その問題に前年から着手し仮想ミニコーパスを用いて一定の解決を図った。2023年度は仮想ミニコーパスではなく、より現実に近いコーパスを構築した。具体的には、CHILDESデータベースの日本語対子供発話を尤度の計算ができるようななんらかの形で前処理することが計画され、実際には、あるコーパスの親による発話の一部を、一定の基準に沿って、品詞記号列(例:n n v)に直し、それらの記号列の集合を生成するような文脈自由文法を書き、尤度の比較を行った。現在、論文執筆中である。
それに加え、22年度より着手した英語の疑問文形成規則の獲得モデルについても進展があった。これについてもCHILDESデータベースの英語の対子供発話からYES・NO疑問文とWH疑問文を抽出し、(古くから議論されている)最初の助動詞を動かすとする線形仮説、主節の助動詞を動かすとする構造仮説の比較を行った。上記の日本語のコーパスと同様、英語のコーパスについても品詞記号列への変換処理を手作業で行ったのち、品詞記号列コーパスをコンピュータで読み込んで、それぞれのパターンの頻度を計算した。このプロジェクトについては、今年度に口頭発表を行い、論文集に収録予定の論文を作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

節構造獲得のプロジェクトは、今年度中に論文に着手する予定であったが、コーパスの前処理に時間がかかった。特に省略された主語や目的語を「復元」する必要があるため、手作業で行わざるをえないことが主な理由である。

今後の研究の推進方策

本課題の当初の2年が終わり折り返し地点を過ぎ、句構造獲得、疑問文形成規則獲得については、分析作業から論文執筆・投稿の作業へとシフトする局面である。研究成果が公開できるように進めてまいりたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Tense Alternation Generalization Revisited2023

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Fujii, Hirotaka Ogawa, Hajime Ono
    • 雑誌名

      言語研究

      巻: 164

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Choosing among auxiliary fronting transformations2023

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Fujii and Sota Ninomiya
    • 学会等名
      Mayfest 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] The placement of subject-oriented adverbials, comparative syntax, and a potential learning problem2022

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Fujii and Kaori Miura
    • 学会等名
      LCCC #431
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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