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有標的な名詞述語文の諸類型―意味論・言語対照・通時言語学の観点から―

研究課題

研究課題/領域番号 22K00505
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

大島 義和  名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (40466644)

研究分担者 宮地 朝子  名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (10335086)
佐野 真一郎  慶應義塾大学, 商学部(日吉), 教授 (30609615)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
キーワード名詞述語文 / ウナギ文 / 人魚構文 / 文末名詞文 / 状態述語文 / 状態述語
研究開始時の研究の概要

名詞述語文は,一般に「aとbは同一である」または「aはAに包摂される」という関係をあらわす(例:「平塚らいてうは {『青鞜』の創刊者 / 作家} だ」)が,その一方で,「ユミはウナギだ (= ユミはウナギを注文した,ユミはウナギの専門家だ,等)」「ヒロシはスーツだった (= ヒロシはスーツを着ていた)」「ナオミは東京に行く予定だ (= ナオミには東京に行く予定がある)」といった,非典型的な意味を持つ有標的な名詞述語文も存在する。本研究では,このような有標的名詞述語文の分類と,形式意味論,歴史言語学,対照言語学,語彙論といった諸観点からの分析に取り組む。

研究実績の概要

本研究では、以下の3つの課題がたてられている。(1) 日本語および英語に見られる有標的名詞述語構文を意味論・文法論的観点から仔細に検討し、既存研究における分類・分析を発展させる。(2) 種々の有標的名詞述語構文に述語名詞として参与しうる名詞群を、用例収集や容認度調査を通じて同定し、現代日本語の語彙体系のより精密な記述に貢献する。(3) 有標的名詞述語構文の使用様態の歴史的変遷を、構文レベル・語彙レベルで調査し、文法化の観点からの知見を得る。
課題 (1) に関して、2年目となる2023年度には、初年度に構築した英語および日本語における「属性指定型名詞述語構文」(『その車はめずらしい色だった』の類)「関係記述型名詞述語構文」(いわゆる「人魚構文」の一種);『山田さんは明日出発する予定だ』など)「オープンエンド関係型名詞述語構文」(いわゆる「ウナギ文」;『僕はウナギだ (僕が注文したのはウナギだ)』など)に関する意味的・文法論的特徴の記述を発展させた。日英語において「属性指定型名詞述語構文」に参与しうる名詞の意味クラスの分類や「関係記述型名詞述語構文」の下位種の性質の同定、「オープンエンド関係型名詞述語構文」が自然に使用できる語用論的条件について知見を深め、形式意味論的な分析を精緻化することができた。成果をまとめた論文は学術雑誌の査読を受け、一定の評価を受けた。査読結果をふまえて再投稿を行い、再査読を受けている。また、成果を国際ワークショップで発表することができた。
課題 (3) については、大きな進展はなかったものの、非名詞的な表現から名詞的な表現への文法化をあつかったケーススタディとして「ならで(は)」を取り上げた研究の成果が論文(書籍内所収論文)として刊行された。
課題 (2) については進展が乏しく、今後分担者間で連携しながら、データ収集の方法・方針を確立させる必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論的な観点から研究課題に関する知見を深め、すでに1編の学術論文としてまとめている。この論文において提案された定式化・分析を核として、今後、体系的な語彙論的調査、歴史言語学および類型論的な発展につなげていくことができると期待できる。

今後の研究の推進方策

すでにある程度確立した理論的分析をもとに、以下の方向で研究を発展させることを予定している。(1) コーパスデータ等を利用して、種々の有標的名詞述語構文に参与しうる名詞の同定・分類を行う。(2) いくつかの語彙項目に着目して、もともと無標的な用法しかなかった名詞が「属性指定型名詞述語構文」「関係記述型名詞述語構文」の主名詞として用いられるようになる過程についての知見を深める。(3) 朝鮮韓国語、中国語、英語以外のヨーロッパ諸語における有標的名詞述語構文の使用様態について調査し、類型論的な観点からの考察を行う。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 有標的な名詞述語文の類型―「僕はウナギだ」「君は無遠慮な性格だ」「私も同じ意見だ」―2024

    • 著者名/発表者名
      大島デイヴィッド義和
    • 学会等名
      日韓学術交流会 9 (韓国外国語大学校)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] How to be a ham sandwich or an eel: The English deferred equative and the Japanese eel sentence2023

    • 著者名/発表者名
      OSHIMA, David Yoshikazu
    • 学会等名
      The 29th International Conference on Head-Driven Phrase Structure Grammar
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] 日本語と近隣言語における文法化 (pp.109-132「「ならで」「ならでは」の一語化と機能変化」)2023

    • 著者名/発表者名
      ナロック・ハイコ,青木博史(編);ナロック ハイコ,青木博史,宮地朝子・他(著)
    • 総ページ数
      336
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      9784823411694
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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