研究課題/領域番号 |
22K00513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
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研究分担者 |
Backley Phillip 東北学院大学, 文学部, 教授 (20335988)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 語内音韻構造 / 併合 / エレメント / 外在化 / 階層構造 / 語彙化 / 構造構築過程 / 音声的外在化 / 線形化 |
研究開始時の研究の概要 |
一般言語学における生成文法理論の見地から、語(形態素)を構成する音韻表示がどのように構築され、それがどのように音声的に具現化されるかを、理論的かつ実証的に明らかにすることを目的とする。従来、言語機能の統語部門は形態・統語表示のみを構築する演算装置であると考えられてきた。これに対し本研究では、音韻表示も統語部門で構築され、統語表示の外在化過程と同じ仕組みで、音韻構造も音声的に具現化(例 線形化、強勢付与、分節音弱化)されるということを理論的に明らかにすると同時に、諸言語の音韻現象を参照・分析し、考案モデルの妥当性を言語類型論的、言語獲得論的、通時的角度からも検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、言語能力の基本設計を再考し、①「語・形態内の音韻表示構築過程」と ②「言語構造の音声的外在化の仕組み」を解明することである。その結果もたらされる研究成果は、ヒトの言語能力の基本設計のみならず、言語運用能力、言語獲得過程のメカニズム、歴史的音韻変化の解明に大きく寄与するものと考えられる。 ①について本研究では、従来の研究と異なり,音韻表示も統語部門で構築されると考える。そして②についても、部門により異なるのではなく,統語表示の外在化過程と同じ仕組みで、音韻構造も音声的に具現化(例 線形化、強勢付与、分節音弱化)されると考える。本研究では、これらを理論的に明らかにすると同時に、諸言語の音韻現象を参照・分析し、考案モデルの妥当性を検討している。 「語・形態素内の音韻構造構築過程」と「言語構造の音声的外在化の仕組み」を明らかにし、かつ上記のモデルの妥当性を探るために、研究計画書に従い、研究代表者(A班)は、(i)様々な音韻現象を分析しながら、形態素内音韻構造を構築する併合操作の探求、およびその亜種の必要性の検討を今年度行った。他方、研究分担者(B班)は、(ii)形態素内音韻表示の線形化過程を明らかにするために、統語構造の線形化に関する諸理論の比較・検討を行った。いずれも、先行研究と最新の研究動向を把握した上で行われた。 (i)の調査研究により、以上の研究成果は、国内外の8つの学会、および4つの学術雑誌で発表された。また研究成果の中には、書籍の一章分にまとめられ発表されたものが6つある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ感染症拡大の影響で2022年度の研究はやや遅れていたが、2023年度はその遅れを取り戻し、ほぼ予定していた研究を行うことができ、それらの成果を国内外の学会で発表した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、本課題の研究を開始した当初に予定していた以下の研究を行う。
(i) 統語部門との構造上の整合性を追求するため、線形順序特性を完全に廃し、併合操作により構築される音節表示モデルにおいて、その併合の対象となる音韻範疇(phonological categories)の特定化を行う。 (ii) 昨年度明らかにした語順や分節音の順番を決める「線形化」の仕組みに加え、音韻表現に見られる「相対的卓立化」の解明を試みる。
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