研究課題/領域番号 |
22K00515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小原 京子 慶應義塾大学, 理工学部(日吉), 教授 (00286650)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | フレーム意味論 / 構文文法 / 相互フレーム / 構文ネットワーク / フレームネット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、人の持つ言葉の知識の単位を、構文(形式と意味の対)と捉える。さらに、人は言語表現の意味や機能を理解する際には、様々な事象に関するフレーム(背景知識)を想起すると考える。その上で、人の持つ構文の意味と機能に関する知識を、フレームでどこまで記述可能かを解明する。「フレーム・構文分析」の手法で日英語の構文の対応づけを試み、従来未着手であった、構文の機能と、発話参与者間の関係に関して人が持つ知識である「相互フレーム」との関連を考察する。
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研究実績の概要 |
本研究では、人の持つ言葉の知識の単位を、構文(形式と意味の対)と捉える。さらに、人は言語表現の意味や機能を理解する際に、様々な事象に関するフレーム(背景知識)を想起すると考える。その上で、人の持つ構文の意味と機能に関する知識を、フレームでどこまで記述可能かを解明する。「フレーム・構文分析」の手法で日英語の構文の対応づけを試み、従来未着手であった、構文の機能と、発話参与者間の関係に関して人が持つ知識である「相互フレーム」との関連を考察する。 研究局面は、1)日英語の対応する構文の抽出、2)日英語の構文の機能の分析、3)構文機能と相互フレームとの関連性の考察、4)成果発表と公開の4フェーズに分けられる。当初の予定は次の通りであった。2022年度は、主に1)を行う。その際、アノテータ・プログラマーの協力を得て、日英語パラレルコーパスの分析を行い、その結果をデータベースに入力する。2023年度は、1)を継続しつつ、2)について、Croft, Perekなど、海外研究協力者と検討を重ねる。2024年度は、1)、2)を継続しつつ、3)について、マルチリンガルフレームネット、グローバルフレームネット・プロジェクトの海外研究協力者と検討を重ねる。2025年度は、国際会議・国内会議発表、論文、著作にて主に4)を行う。 2022年度は、予定通り1)日英語の対応する構文の抽出をおこなった。加えて、当初は2023年度に実施する予定であった2)日英語の構文の機能の分析、2024年度に実施予定であった3)構文機能と相互フレームとの関連性の考察を、海外研究協力者と議論しつつ行い、成果を上げることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記「研究実績の概要」欄に記載した通り、予定通り1)日英語の対応する構文の抽出をおこなった。加えて、当初は2023年度に実施する予定であった2)日英語の構文の機能の分析、2024年度に実施予定であった3)構文機能と相互フレームとの関連性の考察も行い、成果を上げることができたからである。
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今後の研究の推進方策 |
研究局面は、1)日英語の対応する構文の抽出、2)日英語の構文の機能の分析、3)構文機能と相互フレームとの関連性の考察、4)成果発表と公開の4フェーズに分けられる。 2023年度は、2022年度に引き続き、1)日英語の対応する構文の抽出を行う。その際に、2022年度よりもさらに分析とその結果のデータベースへの入力に集中する。また、2)日英語の構文の機能の分析に関しては、Croft, Perekなど、海外研究協力者と検討を重ね、機能の洗い出しを行う。3)構文機能と相互フレームとの関連性の考察に関しては、実際に相互フレームの定義を進めていく。 1)、2)、3)においては、マルチリンガルフレームネット、グローバルフレームネット・プロジェクトの海外研究協力者とさらに検討を重ねる。2024年度、2025年度は、国際会議・国内会議発表、論文、著作にて主に4)を行う。 分析対象データとして、日本語と英語の対訳テキストを用いる。分析手法としては、研究代表者が提唱している「フレーム・構文分析」手法をさらに進化させ、それを用いて対訳テキストを分析し、Croft(2021)の情報構造カテゴリー一覧を手がかりに、機能が一致する日英構文のペアを探す。それらの機能が相互フレームとして定義可能かを考察する。成果物として、1)日英語の対応する構文、2)日英語の構文の機能、3)相互フレームの定義を作成し、4)日本語フレームネットプロジェクトWebサイト等で公開する。
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