研究課題/領域番号 |
22K00518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
塩山 正純 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 教授 (10329592)
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研究分担者 |
朱 鳳 京都ノートルダム女子大学, 国際言語文化学部, 教授 (00388068)
伊伏 啓子 福岡大学, 人文学部, 講師 (40759841)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 近代中国語 / 官話 / 近代西洋人の中国語研究 / 女性知識人 / 外国語としての中国語 / 近代西洋人 / 女性 / 外国語学習 |
研究開始時の研究の概要 |
言語文化のさまざまな事象も、観察の視点を増せば、より複眼的・立体的に捉えることができる。近代中国の口語の共通語である「官話」は当時の中国人の言語生活の重要ツールであり、現在もその実像の解明に向けて考察が続く事象である。本研究は、新たに「女性の視点」に着目し、近代の中国語非母語話としての西洋「女性」知識人が「官話」について記述した記録と「官話」で記述した著作を研究対象として、過去の研究で蓄積した「官話」に関するデータと一体活用し、新たに西洋「女性」知識人の視点から近代“官話”の語彙・語法・文体の実像にアプローチし、さらに、現代の外国語学習への応用も視野に入れ、共時的・通時的考察によって解明する。
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研究実績の概要 |
課題メンバーの個別の研究業績については「業績一覧」に挙げる。コロナによる活動制限がほぼ緩和され、一部のメンバーは海外での調査・研究成果報告を行うことが出来たが、所属先の学内業務とのバッティングなど、複数の事情により調査・成果報告で予定していた旅費での研究費執行が順調ではなかった。移動をともなう調査・研究報告が順調ではなかった一方で、メンバー3名は、いずれも先行課題から継続的に収集してきた一次資料を活用することで研究活動を継続的に遂行することができた。本課題の初年度(2022年度)には、スタートアップ的な成果として、西洋人キリスト教宣教師とその妻によって執筆された資料をもとに考察してきた成果を口頭報告したが、本年度(2023年度)は、これをもとに追加の考察と加筆・修正によって海外の学術雑誌(中国:『世界漢語教育史研究』)に投稿し採択された。同論文は採択後、すでに編集・校正も完了しており、当初予定では2023年度中に刊行予定であったが、版元の中国国内の事情により遅延し、2024年度に刊行される予定である。この他、口頭による成果報告も複数行った。 なお、研究の基礎となるデータは、先行課題からの調査によって継続的に資料収集を行い、本年度は宣教師ネヴィアス夫人、クロフォード夫人、アイダ・プルーイットをはじめとする人物に関連する資料を複数収集することができた。また、プロテスタントの主要かつ重要な宗教書の漢訳本である『天路歴程』の官話版について全テキストの20%について電子テキスト化を完了し、上述の成果発表の一次資料として活用した。 一方で、予算執行の面では、上述の通り、一部のメンバーが所属先での役職就任など所属先の学内業務とのバッティングなどの事情により、とくに予定していた旅費の執行が計画通りに進捗しなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」欄で述べた通り、成果の公表という面の研究活動については、2022年度の国際シンポジウムでの口頭報告を基礎に考察を継続し、加筆修正した論文を海外の学術雑誌に投稿し採択された。版元の国内事情により刊行には至っていないが、2024年度中には刊行される予定である。この他に、複数の口頭報告も行ったことから、おおむね順調に進捗したと考えている。 一方で、予算執行という面では、研究メンバーの所属機関の学内役職就任による業務とのバッティングなど、複数の事情により、海外渡航による資料調査等が予定通りに実施できなかったことから、予定していた旅費の費目での執行が著しく少なくなった。
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今後の研究の推進方策 |
2年目の活動は、新型コロナによる行動制限がほぼ無くなって、状況が改善されたが、上の二項目にも記した諸事情により、予算執行(特に海外調査に係る旅費)の面では大いに改善の余地があると認識している。成果発表の機会は積極的に利用していく考えである。 資料調査は、本研究課題の基礎資料の充実のためには不可欠であることから、並行して進捗しているメンバーの研究プロジェクト、さらには同分野で関連課題を遂行している研究者とも連携し、資料収集を効率的に実施し、収集する基礎資料とそのデータを複数の課題で有効活用していく。資料調査は複数回実施できるように、すでに事前ミーティングを重ねており、年度内の実施に向けて、準備活動を開始している。 また、計画段階からすでに着手し、順調に遂行している資料のテキスト化については、調査による資料の収集・蓄積と同時進行で作業を行い、これらテキスト化したデータを活用して各自のテーマについて継続して考察を行なう予定である。
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