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社会方言に基づく短期言語変遷モデルの構築:ツイッターを言語資源とした学際的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00528
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

吉田 江依子  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30342033)

研究分担者 横越 梓  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80508391)
武藤 敦子  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (90378240)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードツイッター / 新語・流行語 / X / 広辞苑 / 定着語彙 / 社会方言 / 言語変異
研究開始時の研究の概要

毎年、年末になると、今年の「流行語大賞」が話題になる。本研究で取り上げる新語・流行語は、その時々の社会の世相を表すその場限りの奇抜な表現を含んだ言葉に過ぎず、その研究に学術的意義があるのか、と考える人がいるかもしれない。しかし、言語学的視野に立ってみると、流行語は言語の創出、変異、消滅といった言語サイクルを短期間で表出している非常に興味深い言語対象である。どのような流行語が廃れ、どのような流行語が残るのか。ツイッターから言語データを収集し、生成文法を基本とする理論言語学の枠組みを用いて、今現在、進行形で起こっている流行語の言語変遷の仕組みを解明する。

研究実績の概要

今年度は3本の論文および口頭発表をした。うち1本は言語学的観点から、2本は情報工学的観点からのアプローチである。

吉田を中心とした言語学的観点からの分析では2023年の新語・流行語のうち「かわちい」を取り上げて分析を行った。この「かわちい」という語は、従来の幼児語として形容詞の語尾を「〇〇ちい」(例:さびちい、うれちい)と変える音声変化的仕組みのように、自然発生的に変化したものではないため、その仕組みを解明することは、ことばが意図的に変わっていく仕組みの解明の一つになると考える。具体的には、この変化は従来ある言語変化のシステムを複数組み合わせることによって内的な変化を起こした。加えて爆発的な流行語となったのは、それ以前に「ちいかわ」というアニメの主人公が流行したことによる類推も関与していることを明らかにした。この論文は、自然言語の変化とは本研究は、目的の一つである「短期言語変遷モデル」の構築に対して、ひとつの基盤を作ったという点で重要な研究である。

武藤を中心とした情報工学的観点からの分析では、Twitterでの単語の流行と定着について定量的な分析を行い、流行語の定着予測を行った。そのモデルとしてある期間における語の使用回数の推移を機械学習手法を用いて学習させ、一定期間後に流行状態であるかを予測し、その予測が高い精度で正しいということを確認した。この研究は、本研究の目的の一つである反証可能な流行語予測の確立という点において、重要な示唆を示す研究となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ツイッターからXに変更されたことに伴い、XのAPI使用が不可能となり、データを収集するためには、科研費をこえる費用が必要となってしまったため、データ収集が途中でとまってしまった。そのため、検証したい流行語・新語があっても量的な観点から直接それを収集することが現状ではできないという状況から、進捗が予定より遅れている。

今後の研究の推進方策

ツイッターからXに変更されたことに伴い、データを収集するためには、科研費をこえる費用が必要となってしまったため、データ収集が途中でとまってしまった。そのため、今後の研究の推進の方向としては、以下の3点をあげる。
(1)すでに収集した言語データのみを用いて情報工学的観点からの分析を行う
(2)X以外のソースから言語データが収集できないかについて検討をする。
(3)流行語・新語について、個々のことばについてどのような変遷がおきたのか、言語学的観点から分析をすることで、変遷モデルの構築を試みる。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 最新の流行語にみる短期言語変遷モデル構築の可能性:「かわちい」に関する一考察2024

    • 著者名/発表者名
      吉田 江依子
    • 雑誌名

      New Directions

      巻: 42 ページ: 1-20

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Extraction of Changes in Language Use through First Conversations on Social Networking Services Using Non-Negative Matrix Factorization2024

    • 著者名/発表者名
      Atsuko Mutoh, Koki Takahashi, Kosuke Shima, Koichi Moriyama, Azusa Yokogoshi, Eiko Yoshida and Nobuhiro Inuduka
    • 雑誌名

      16th International Conference on Agents and Artificial Intelligence, Book of Abstracts

      巻: - ページ: 106-106

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Twitterにおける会話量に伴う言葉遣いの文体的特徴変化の分析2023

    • 著者名/発表者名
      武藤敦子, 江口明利, 高橋昴希, 森山甲一, 横越梓, 吉田江依子, 犬塚信博
    • 雑誌名

      情報処理学会論文誌, 数理モデルと応用

      巻: 16 ページ: 1-7

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Twitter における語の使用回数推移を用いた機械学習による流行語定着予測2023

    • 著者名/発表者名
      西尾駿斗 武藤敦子 島孔介 森山甲一 松井藤五郎 横越梓 吉田江依子 犬塚信博
    • 学会等名
      第37回人工知能学会全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Twitterデータにおける初対面会話からの花開院伴う言葉遣いの文体的特徴変化2023

    • 著者名/発表者名
      高橋昴希, 武藤敦子, 島孔介, 森山甲一, 横越梓, 吉田江依子, 犬塚信博
    • 学会等名
      情報処理学会第85回全国大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Twitterにおける会話量に伴う言葉遣いの文体的特徴変化の分析2022

    • 著者名/発表者名
      武藤敦子, 高橋昴希, 江口明利, 森山甲一, 横越梓, 吉田江依子, 犬塚信博
    • 学会等名
      第138回数理モデル化と問題解決研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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