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北琉球語における複文の構造と意味-格配列と焦点化構文を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22K00545
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関別府大学

研究代表者

金城 國夫  別府大学, 文学部, 准教授 (10847635)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード琉球諸語 / 記述言語学 / 理論言語学 / 統語論 / 従属節 / 疑問節 / 動詞・形容詞活用 / 焦点化構文 / 生成文法 / 言語類型論
研究開始時の研究の概要

本研究は連体節([太郎が食べた]ごはん」)や副詞節([ごはんを食べてから]出かける)などの従属節における格配列(名詞につく格助詞の種類とその配置)と焦点化構文(強調文や疑問詞疑問文)を主要なテーマとして北琉球語の文法を記述した上で、その類型論的、一般言語理論的な帰結について考察することを目的としている。格配列、焦点化構文とも、これまでは主文を対象にした研究が多かったが、従属節を対象に加えることでより精緻な記述と深い理論的な考察が可能になることが期待される。具合的な対象言語/方言は主に奄美大島瀬戸内方言、沖縄本島南部那覇方言および与那原方言、沖縄本島北部金武方言および国頭方言とする。

研究実績の概要

2023年度は9月、2月、3月の三回に渡り、奄美大島瀬戸内町にて調査を行った。前年度に引き続き主に従属節に関するデータを収集し、さらに埋め込み疑問節の記述も行った。
2022年度までに実施した奄美大島瀬戸内町方言における従属節(連体節、名詞節、副詞節、引用節)に関する調査成果の一部を国内学術誌にて発表した。同方言の従属節に関するまとまった記述は管見の限り存在しない。瀬戸内町方言の関節引用節では、日本語や沖縄語と違い、述語が連体形を取るという興味深い観察が得られた。今後も更に詳細な記述と類型論的、理論的な分析を行っていきたい。
埋め込み疑問節に関する調査の成果も紀要論文として発表した。「カ節」「ガロ節」「ロ節」の三種類の疑問節についてその統語的性質について整理したもので、こちらも瀬戸内町方言に関して研究はあまりなされていない。一見日本語と同じように見える「カ節」でも、瀬戸内町方言では連体形と接続する点で、日本語や沖縄語の疑問節と異なっており興味深い。現時点では予備的な記述にとどまっているため、上述した関節引用節とあわせて今後も記述調査と理論的な分析が必要である。
また、琉球諸語の理論言語学的研究の成果および研究者同士の交流・情報交換を目的として琉球諸語理論言語学研究会(Theoretical Approaches to Ryukyuan Languages, ThARL)を立ち上げ、2024年2月に第1回研究会を琉球大学にて実施した。そこで奄美大島瀬戸内町方言の疑問節についての発表も行った。今後も年2回程度のペースで開催していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の研究計画では2022年度に従属節の記述、23年度に従属節内での格配列の記述を予定していた。後者はほとんど手をつけられていないが、代わりに、当初予定していなかった埋め込み疑問節で興味深い記述が得られたので問題は進捗状況としては問題無いと思われる。格配列については次年度の課題としたい。
また、当初は沖縄本島でも調査を行う予定であったが、ほとんどできていない。調査が長期休みの3回に限られたため、奄美大島に絞って調査を行った。無理に記述対象を広げて調査が不十分になるよりは対象を絞ったほうが良いと判断した。
以上を踏まえ、当初の研究計画から多少の変更はあるものの、研究は「おおむね順調に進展している」とした。

今後の研究の推進方策

2022年度、2023年度は従属節と埋め込み疑問節の記述に専念した。次年度以降は特に埋め込み疑問節について他言語と比較しながら類型論的、理論的分析をすすめる。その成果は学会や学術誌にて発表する予定である。また、「進捗状況」に記した従属節節内の格配列に関しても記述調査を行う。当面は奄美大島瀬戸内方言に絞って調査を行い、ある程度まとまった成果が得られた時点で沖縄本島の調査を行い、奄美大島方言と比較していく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Embedded interrogatives in Shinokawa Amami2024

    • 著者名/発表者名
      Kinjo, Kunio
    • 雑誌名

      別府大学紀要

      巻: 65 ページ: 133-140

    • DOI

      10.32289/dk06513

    • ISSN
      0286-4983
    • URL

      http://repo.beppu-u.ac.jp/modules/xoonips/detail.php?id=dk06513

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 北琉球奄美語瀬戸内町方言における従属節の形態と意味2024

    • 著者名/発表者名
      金城國夫
    • 雑誌名

      琉球の方言

      巻: 47号 ページ: 57-70

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 大分県豊後大野方言におけるイ主格 -意味的・統語的制約(の不在)についての覚書-2023

    • 著者名/発表者名
      金城國夫
    • 雑誌名

      別府大学紀要

      巻: 64

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 奄美語瀬戸内町方言の埋め込み節2024

    • 著者名/発表者名
      金城國夫
    • 学会等名
      第1回琉球諸語理論言語学研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 大分県豊後大野方言の主格助詞「イ」について2023

    • 著者名/発表者名
      金城國夫、野邊実海
    • 学会等名
      第54回九州方言研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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