研究課題/領域番号 |
22K00549
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 就実大学 (2023) 上越教育大学 (2022) |
研究代表者 |
鯨井 綾希 就実大学, 人文科学部, 講師 (10757850)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 計量語彙論 / コロケーション / 多変量解析 / コーパス / 語彙調査 / 言語単位 / 品詞論 / 計量分析 / 日本語コーパス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本語の語彙分類の1つである品詞分類を、各品詞の使用実態の計量分析によって体系的な再構築によって捉え直していく。特に名詞・動詞・形容詞・形容動詞といった内容語と、助詞・助動詞といった機能語を取り上げ、それらに属する語群を対象とした各品詞の定量的な特徴を分析する。 また、それぞれの品詞に含まれる語ごとの統語的振る舞いを定量的に捉え直し、各語を品詞内の典型・周辺に基づく分布として配置していくことで、語群の分布構成から見た各品詞の特性を明らかにする。加えて、品詞相互の特性とその品詞体系への位置付けも、語から品詞への分析と同様の手順で詳らかにし、定量的な側面から見た品詞体系を構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、日本語という個別言語に存在する語彙体系のうち、文を構成する語の働きにより分類される品詞を取り上げ、大規模コーパスの計量分析を通して具体的な語彙の整理と分類を行うことで、品詞体系の再構築を目指すものである。特に、コーパス言語学や計量言語学の知見に基づき日本語構文の定量化手法を考案し、コーパスにより収集した語群にその手法を適用して分析することで、大量の語群を適切に配置できる品詞分類の構築を試みる。 研究2年目となる本年度は、研究1年目に収集したデータベース資料の内実の把握やソフトウェアの習熟、研究書の内容の検討、ならびにそれらの本研究への応用可能性の探索を行った。それらを通して利用可能と判断したいくつかの分析手法は、具体的な語を取り上げた類似度の多面的な分析に適用し、現段階の時点で得られた知見に基づいた方法論による研究成果として公表した。 また、研究1年目時点で完了していた名詞の定量的語彙分類の成果も学術刊行物の一部として海外で公開された。品詞の中心的存在の一つである名詞に関する研究成果の公開によって、本研究を他の多くの品詞の分析へと拡大していくための土台ができた。 さらに、次年度に検討可能な品詞の選定とその研究の進展具合を調査し、いくつかの品詞の取り上げ方やその研究上の価値づけの方向性を定めることもできた。本科研費に先行して公開していた形容動詞の論を含めて、本研究は現状として、本研究の目的となる品詞の体系的把握に向けた個別の論が順調に展開されていると言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属組織の変更に伴う研究・教育環境の再構築や、育児に関わる生活時間の増加などによって、研究に割く時間が大幅に削られてしまったため、やや研究が遅れている。特に研究成果の公開という点では、当初の想定よりも遅れが生じてしまっている。ただし、品詞論の総合的な議論を展開していくにあたって必要な知見を得ることや、次年度以降の研究の公開のあり方について考える時間を確保することはでき、研究成果の公開が本格化する次年度以降に向けて良い展望は得られている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、研究の1年目と2年目によって基礎的な資料の収集や方法論の展望について理解を深めることができた。それを受けて次年度以降は、具体的な研究ならびに研究成果の公開に重点を置いた活動を行なっていく。特に、本科研費の研究以前から取り組んできた研究の成果の一部を発展させることで本研究を推進していけることが分かったため、これまでに得られた知見を過去の研究成果の発展的内容として取り込んでいくことで、研究上の遅れを取り戻すことができると考えられる。
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