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存在文とコピュラ文の解釈多様性と形式的統一性:指示参照ファイル理論による解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K00553
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

山泉 実  大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 准教授 (80592336)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード指示参照ファイル理論 / 名詞句 / 存在文 / コピュラ文 / 認知形而上学 / 潜伏疑問 / 自由拡充 / 等位複合体 / 視座俯瞰認知メタ形而上学 / 指示参照ファイル(reference file)
研究開始時の研究の概要

どの言語でもほぼ同様の解釈多様性を示す存在文とコピュラ文の“多義性”を、独自の指示参照ファイル理論で解明する。言語から独立し人間に普遍的な概念構造に注目し、発話中の名詞句の意味は、話し手が推定した聞き手の心にある心的表象だと考え、その中身を一般的認知能力に基づいて精緻化し、名詞句の解釈多様性を表象の中身の違いとして捉えることで、存在文・コピュラ文の言語普遍的な“多義性”を自然な形で説明する。

研究実績の概要

本研究は、申請者独自の指示参照ファイル理論によって、存在文とコピュラ文の“多義性”(解釈多様性と形式的統一性)を解明することを目指すものである。2023年度に公刊された成果は、以下の単著論文で、等位複合体(co-compound、例「合否」「善悪」「男女」「やるやらない」「いい悪い」「そばうどん」)の分析に指示参照ファイルのデータ構造を利用した。:「日本語の等位複合体 (co-compound) とそれを主要部とする名詞句の認知意味論・形態論 :「男女」「善悪」「合否」」『東京大学言語学論集』44: e42-e85.

昨年度挙げた、「今後の研究の推進方策」の中で、進捗があったものは主に以下。●ポスター発表した「ないものはない」の分析を文章化して公刊する。→執筆完了、収録される共著の刊行待ち。●指示参照ファイル理論による、各種コピュラ文の分析を進め、理論と分析を精緻化する。・コピュラ文の分析の口頭発表資料を元に、コピュラ文全般を扱った論文を執筆する。・同じ現象を扱っている他の理論を精査し、参考とする。・指示参照ファイル理論の集中講義を行う。→コピュラ文について所属大学院で授業を行いつつ、競合理論を含め先行研究を調査し、指示対象ファイル理論によるコピュラ文の分析を10万字程度にまとめた。それに基づいて集中講義(東京大学文学部・人文社会研究科)を行った。集中講義に備え、これまで書いた既発・未発の文章を50万字程度にまとめた。●2021年に論文を公刊した潜伏疑問名詞句についても、指示参照ファイル理論の立場からの考察を深め、論文を執筆する(共著論文を投稿予定)。→40ページの共著論文を8月末に投稿。3月末に査読結果「修正再投稿」が返ってきて、現在修正中。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

指示参照ファイル理論構築以前から研究していた等位複合体について、指示参照ファイル理論の知見を活かして分析を深め、成果を公刊できたため。

査読の遅延などのために共著論文や共著書の公刊が遅れているものの、研究自体は存在文についてもコピュラ文についても文章化まで一通り終わったものがあるため。

本研究課題の前に指示参照ファイル理論で研究した潜伏疑問文についても研究が進展し、共著論文にまとまったため。

今後の研究の推進方策

●指示参照ファイル理論のモノグラフを出版予定の出版社で先に動いている共著2冊を刊行してもらい、モノグラフ刊行の地ならしをする。
●2021年に論文を公刊した潜伏疑問名詞句についても、指示参照ファイル理論の立場からの考察を深め、論文を執筆する(共著論文の修正再投稿を準備中)。
●存在文について、言語学の先行研究だけでなく、哲学的形而上学・存在論の研究も参照しつつ、分析を進める。
●理論の細部、たとえば指示参照ファイルのデータ構造について、Barsalouのフレーム理論や、諸オントロジーなど他の枠組みを参考に考察する。
●日本語原著論文の英訳を科学基礎論学会欧文誌に掲載する制度を利用して、「名詞句の自由拡充再考―問題の指摘と指示参照ファイル理論による分析―」の英語版を出版する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 名詞句の自由拡充再考2023

    • 著者名/発表者名
      山泉実
    • 雑誌名

      科学哲学

      巻: 55 号: 2 ページ: 89-110

    • DOI

      10.4216/jpssj.55.2_89

    • ISSN
      0289-3428, 1883-6461
    • 年月日
      2023-03-31
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 日本語の等位複合体 (co-compound) とそれを主要部とする名詞句の認知意味論・形態論 : 「男女」「善悪」「合否」2023

    • 著者名/発表者名
      山泉実
    • 雑誌名

      東京大学言語学論集

      巻: 44

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 視座を俯瞰した認知的メタ形而上学の試み-構成のアンチノミーをめぐって-2023

    • 著者名/発表者名
      山泉実
    • 雑誌名

      EX ORIENTE

      巻: 27 ページ: 51-83

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 「ないものはない」の解釈:指示参照ファイル理論の紹介と共に2023

    • 著者名/発表者名
      山泉実
    • 学会等名
      言語学フェス
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 所謂「意味機能」による区別はどこでなされるべきか2022

    • 著者名/発表者名
      山泉実
    • 学会等名
      第144回 慶應意味論語用論研究会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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