研究課題/領域番号 |
22K00560
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
秦 政寛 慶應義塾大学, グローバルリサーチインスティテュート(三田), 特任助教 (50706439)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 乳幼児 / 語彙 / 意味 / 脳波 / 言語発達 / 視線 |
研究開始時の研究の概要 |
表出言語の発達に遅れを伴う子ども(レイト・トーカー)の意味理解は、定型発達児とは質的に異なっている可能性が示唆されている。しかし、のちにレイト・トーカーとなる幼児の前言語期にあたる乳児期の言語発達に着目した研究は少ない。本研究では6か月から3歳までの乳幼児を対象に、前言語期から語彙の爆発期における定型発達児とレイト・トーカーの意味記憶形成過程の神経基盤を検討することで、初期語彙発達の個人差、特に語彙発達の遅れ、の発生メカニズムを明らかにすることを目的としている。
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研究実績の概要 |
主に初期の表出言語の発達に遅れを伴う子どもをレイト・トーカー(Late Talker)という。レイト・トーカーは、一般的に聴覚、認知、社会性などの発達には問題がないとされる中で、表出言語の遅れが2~3歳頃にかけて表面化することから、その前言語期からの発達過程を捉えた研究は少ない。また、レイト・トーカーの評価基準としては、語彙数という明確な量的指標がある一方で、その獲得語彙の質的側面に関する研究も十分とは言えない。そこで、本研究では、縦断的にデータを収集することで、レイト・トーカーの初期の言語獲得の特性を獲得語彙の意味的側面から明らかにすることを目的としている。 本年度は、2~3歳児の母親を対象として実施した子どものことばの発達に関する質問紙をもとに、理解語彙と表出語彙の語彙数や獲得品詞の評価、ならびに単語間の意味的関係性を意味の近さに基づき二次元空間にマップする意味空間の構築に着手した。レイト・トーカーを含めた幼児の語彙の獲得過程における意味空間の構築は、本実験における刺激語の選定に有用であるとともに、語彙の獲得メカニズムを明らかにする上で重要なデータとなることが期待される。この質問紙調査は現在も進行中である。また、昨年度より着手した近赤外分光法による乳児の脳機能データを用いたレイト・トーカーに該当する幼児の前言語期における言語音声処理(音韻弁別と抑揚弁別)の解析も、新規のデータ収集を含め、継続して実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究へのエフォートが下がり、研究への充当時間が減少したため、予定をしていた脳波を用いた計測は実験環境の構築ならびに予備実験に留まり、実質的なデータ収集を開始することができなかった。しかし、本研究を進める上で重要な指標となる子どもの獲得語彙の意味的関係性を可視化する意味空間の構築ならびに音声言語処理に関わるNIRSを用いた脳機能計測データの解析作業を実施した。
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今後の研究の推進方策 |
レイト・トーカーの評価年齢となる子どもの獲得語彙をもとにした意味空間の構築ならびに前言語期における音声言語処理に関わるNIRSを用いた脳機能計測データの解析作業を継続するとともに、早期に脳波を用いたデータ収集の開始ができるよう必要作業を遂行する。
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