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構文、句、語、命名の4層における拡張現象の認知言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00561
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02060:言語学関連
研究機関成蹊大学

研究代表者

森 雄一  成蹊大学, 文学部, 教授 (80261733)

研究分担者 八木橋 宏勇  杏林大学, 外国語学部, 准教授 (40453526)
高橋 英光  北海道大学, 文学研究院, 名誉教授 (10142663)
大橋 浩  九州大学, 基幹教育院, 教授 (40169040)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2025年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード認知言語学 / 拡張的使用 / 構文 / 命名 / 拡張現象 / 命名論
研究開始時の研究の概要

本研究の概要は、構文、句、語、命名の4層において個別の拡張的使用の実態を記述、分析するとともに認知言語学的な観点から統合的な動機付けを与えることを目的とし、構文においては破格の生成における出現機構を具体的な現象記述をもとに分析、句においてはイディオムを中心とする定型表現の創造的使用とその動機付けの解明、語においては比喩による拡張プロセスの精密化、命名においては新奇な表現の出現とその定着過程の記述と分析をそれぞれ行い、これらを統合的に見ることで、各層における独自性と拡張プロセスの共通性を探究するものである。

研究実績の概要

構文、句、語、命名の4層において個別の拡張的使用の実態を記述、分析するとともに認知言語学的な観点から統合的な動機付けを与えるという本研究の目的に即し、研究代表者、研究分担者がそれぞれの研究を進め、3月に開催された報告会において全メンバーで検討を行った。研究代表者の森は語の拡張的使用の基盤となる比喩の相互関係に関して研究を進め、シネクドキ―の諸タイプとシネクドキ―とメタファーの関係に関わる報告を行った。研究分担者の八木橋は、構文・句に関する拡張現象の分析を進め、諸論考を学会等で発表するとともに、3月の報告会では定型表現の創造的使用に見られる拡張現象についての発表を行った。研究分担者の高橋は構文領域に関する論考を公表するとともに、英語と日本語の命令文・命令形の拡張用法に関わる発表を3月の報告会で行った。研究分担者の大橋は、句領域の研究に関する近年の潮流を整理し、今後有望であるテーマを開拓することを進め、英語のBut I disagree.という表現とその周辺領域に関わる内容を報告会で発表した。また、研究協力者の大月が新奇な表現の出現とその定着過程の記述と分析について、揶揄的なあだ名に特化した報告を3月の発表会で行った。日本語と英語に対象言語がまたがり、また認知言語学をバックボーンとしつつもややスタイルの異なる研究者の交流と相互検討によって、それぞれが進めている領域についてさらなる進展が与えられ、多くの領域にまたがる拡張現象の統合的な動機付けについて今後の展望が見い出せたと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究代表者、研究分担者のそれぞれの研究の進展状況は、3月に開催された報告会において全メンバーで検討を行い、また確認を行った。研究代表者の森の行っている語の拡張的使用の基盤となる比喩の相互関係に関して、この研究の方向性は適切であるという結論にいたった。研究分担者の八木橋の定型表現の創造的使用に見られる拡張現象についての発表に関しては精密に記述がなされ、確実に研究成果がもたらされるものであるという相互評価を得た。研究分担者の高橋の英語と日本語の命令文・命令形の拡張用法に関わる発表は、両言語の比較検討により有意義な結果が得られる見込みであるという相互評価を得た。研究分担者の大橋は、英語のBut I disagree.という表現とその周辺領域に関わる内容を報告会で発表したが、的確に研究状況が整理され、今後の発展性についても有望であるということを確認した。日本語と英語に対象言語がまたがり、また認知言語学をバックボーンとしつつもややスタイルの異なる研究者間の相互検討によってであったが、用語整理や問題意識の共有もスムーズになされ、それぞれが進めている領域についてさらなる進展が与えられ、多くの領域にまたがる拡張現象の統合的な動機付けについて今後の展望が見い出せ、順調に推移していると考えられる。

今後の研究の推進方策

構文、句、語、命名の4層において個別の拡張的使用の実態を記述、分析するとともに認知言語学的な観点から統合的な動機付けを与えるという本研究の目的に即し、引き続き、研究代表者、研究分担者がそれぞれの研究を進め、報告会等において全メンバーで検討を行う。研究代表者の森は語の拡張的使用の基盤となる比喩の相互関係について引き続き学史的な検討を含め研究を進める。また、命名の拡張的使用に関しては、森(2020)「認知命名論の試み―表示性・表現性と命名認知モデル―」で提起した命名認知モデルLangackerの動的使用依拠モデルの接続をはかる方向で検討を行う。研究分担者の八木橋は、引き続き構文・句に関する拡張現象の分析を進め、2024年3月の報告会で発表を行った定型表現の創造的使用に見られる拡張現象に関わる研究の完成を目指す。研究分担者の高橋は構文領域に関する研究を進め、3月の報告会で発表を行った英語と日本語の命令文・命令形の拡張用法に関わる研究の完成を目指す。研究分担者の大橋は、句領域の研究に関する近年の潮流を整理するともに、今後有望であるテーマを開拓することを引き続き進め、また「創発的文法」論と認知言語的な句拡張論の接続をはかっていく。日本語と英語に対象言語がまたがり、また認知言語学をバックボーンとしつつもややスタイルの異なる研究者の交流と相互検討によって、それぞれが進めている領域についてさらなる進展を与え、多くの領域にまたがる拡張現象の統合的な動機付けについて現在得ている展望をもとにさらに探究を進めていく。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 英語の行為指示文と談話構造 ―行為指示文同士の共起をめぐってー2023

    • 著者名/発表者名
      高橋英光
    • 雑誌名

      認知言語学論考

      巻: 17 ページ: 37-62

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 認知言語学から見たことわざとことわざ研究2024

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇
    • 学会等名
      ことわざ学会2月例会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Will you?とCan you?依頼文 ―久野・高見(2022)の分析の検討と代案―2024

    • 著者名/発表者名
      高橋英光
    • 学会等名
      福岡認知言語学会第48回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 翻訳AIから生成AIへ―生成AIで学ぶコミュニケーションのパターン―2023

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇
    • 学会等名
      日本比較生活文化学会第39回研究発表大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Another glance at English directives; How different directive constructions prefer   to cooccur in discourse2023

    • 著者名/発表者名
      Hidemitsu Takahashi
    • 学会等名
      18th International Pragmatics Conference
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] ことわざの創造的使用と辞典―メンタルコーパスを豊かにするためのデータベース―2022

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇
    • 学会等名
      ことわざフォーラム2022シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] インタラクションと表現のバリエーション―“the reason is because”と“the reason being”を中心に―2022

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇
    • 学会等名
      日本英文学会関西支部第17回大会シンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [図書] English Template Writing: Deeper Idea Development-英語の思考と型を身に付けるテンプレート・ライティング―2024

    • 著者名/発表者名
      八木橋宏勇・野村佑子・多々良直弘・Ash Spreadbury
    • 総ページ数
      152
    • 出版者
      金星堂
    • ISBN
      9784764742024
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 『コーパスからわかる言語変化・変異と言語理論 3』 高橋英光執筆分「アメリカ英語における間接行為指示文の使用の変遷 ― COHAからわかること―」 (pp. 101-115)2022

    • 著者名/発表者名
      小川芳樹・中山俊秀・青柳宏・秋本隆之・石崎保明・茨木正志郎・岸本秀樹・ 佐藤陽介・佐野真一郎・下 地理則・新谷真由・杉崎鉱司・鈴木亨・高橋英光・ 髙橋康徳・田中智之・時崎久夫・縄田裕幸・南部智 史・新国佳祐・藤田耕司・ 堀内ふみ野・前田雅子・前田満・宮川創・村杉恵子・森山倭成・柳朋宏・和田裕
    • 総ページ数
      464
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      9784758923774
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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