研究課題/領域番号 |
22K00564
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
野澤 健 立命館大学, 経済学部, 教授 (30198593)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 音韻隣接語彙密度 / 語彙頻度 / 語彙認識 / 日本語話者 / 英語話者 / 語彙境界 |
研究開始時の研究の概要 |
非母語の音の知覚に関する研究は分節音レベルで母語の音韻カテゴリーに基づいて非母語の音の知覚の難易度を論じたものが多いが、非母語の音の知覚が非母語における語彙認識につながるかには言及していない。また、語彙認識に関する研究は、語彙頻度、音韻隣接語彙密度、確率論的音素配列などに基づいて、語彙認識の難易度を論じている。しかし、これらの研究は音素の混同しやすさや非母語話者を対象にした研究では、母語の音のカテゴリーの影響などについては述べていない。本研究は、語彙認識と音韻隣接語彙密度の関係を再検討し、音声情報としての語彙を紛らわしくしている本当の要因は何かを検証する。
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研究実績の概要 |
語彙頻度、音韻隣接語彙密度及び日本語母語話者には知覚が難しいとされる/l/-/r/を含む語リストを作成し、日本語話者、英語話者それぞれ4名に音読してもらい、音声刺激を作成した。 連続した発話の中での語認識に関わる語境界の音響特性をまとめた。一般に日本の英語学習者は、one ofのように/n/の後に母音が続く場合、/n/と後続の母音を切れ目なく発音するのが苦手で、知覚においても/n#V/の間に語境界があることを知覚するのが苦手とされているが、音響分析によると英語話者の発話では/n/の持続時間が/n#V/では/#nV/に比べて著しく短い。これに対し日本語話者は、撥音のリズム・タイミングの影響と思われるが、/n#V/と/n#V/の/n/の長さの差は小さかった。 You learn/You'll earn/You'll learnの比較では、英語話者ではyou'llの/l/が直前の母音のF2の急激な下降を伴うのに対して、learnの/l/の先行する母音への影響は小さく、語境界を越えての影響は限定的と考えられる。これに対して、日本語話者の発話では、/l/の母音のフォルマントへの影響は小さかった。 /t/,/k/が語境界付近に現れる場合(例 stop stalking stops talking)、英語話者の発話では/t/, /k/が語頭に現れるかどうかでVOTに40~50msecの差が見られたが、日本語話者の発話では、10~20msecであった。日本語の無声閉鎖音が英語に比べ、緩やかに有気音であることが原因として考えられるが、このことが日本語話者の発話の明瞭度を損なう原因にもなりかねないと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
英語話者、日本語話者4名ずつの音声を録音し、音声刺激となる音声を作成した。難易度を調整するため、ノイズを加える作業が難航したことと適切なノイズレベル(SN比)を特定することに時間を費やした。また、実験を行うソフトウエアの設定にも難航したため、予定よりもやや遅れる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の遅れとなる問題は解決したので、即座に、実験を開始し、データ収集を行う。データは、音響隣接語彙密度、語彙頻度、語彙親密度、構成する音素などをパラメーターとして、分析する。本研究の目的のひとつは、母語の音韻の英語の語彙認識への影響を測定することであるので、英語を非母語とする日本語話者と英語話者の両方を被験者にして、日本国内と米国とで実験を行う。 実験の結果は、今年度秋以降の学会での発表を目指す。
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