研究課題/領域番号 |
22K00574
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
小川 俊輔 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (70509158)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 地理言語学 / 歴史的変遷(動態) / 音声・形態・意味 / 社会的要因 / サンフアン移住地・オキナワ移住地 / 洗礼名 / 長崎県・沖縄県 / スペイン語化 / 移民 / 移住 / 命名 / カトリック |
研究開始時の研究の概要 |
研究課題の核心をなす学術的「問い」は、「創設以来、約70年の歴史を持つボリビアの2つの日本人移住地において、〈子どもの名づけ〉はどのように変遷してきたのか? それは日本国内における〈子どもの名づけ〉の変遷過程と何が共通し、何が異なるのか?」である。
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研究実績の概要 |
【目的】南米のボリビアには、1955年前後に創設された2つの日本人移住地がある。日本全国から移住者が集ったサンフアン移住地と、沖縄県出身者のみで構成されるオキナワ移住地である。本研究は、両移住地創設から現在に至るまでの約70年間における〈子どもの名づけ〉の歴史的変遷(動態)ついて、社会言語学的な調査研究を行うことを目的とする。 【2022年度の主な研究成果】 当初(2021年9月提出)の研究計画では,2022年度はサンフアン移住地(ボリビア)と長崎の「カトリック集落」を訪問調査する予定であった。しかし,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染状況が落ち着かず,現地調査は不可能であった。このため,2022年度は,①〈子どもの名づけ〉に関する先行研究の渉猟と整理,②ゼミ学生の卒論指導における〈子どもの名づけ〉研究の推進を行った。①について,〈子どもの名づけ〉について日本語学・社会言語学の手法によって考察する先行研究は多くない。2022年度はその渉猟と整理に努めた。②について,1名のゼミ学生が,1980年前後生まれと2000前後生まれの〈子どものなづけ〉に関する卒業論文を執筆した。分析の観点として,名前の拍数,文字数,音(音象徴:共鳴音と阻害音),漢字・かな・カナを設定した。いずれも,20の間に変化が見られ,〈子どものなづけ〉に時代的変遷のあることが確認された。この卒業論文について,一部修正を施し,紀要論文として公表予定である。今後,この結果を南米ボリビアの日本人移住地における〈子どもの名づけ〉の傾向と比較する予定である。 なお,年度をまたぐが,2023年4月28日(木曜日)にごく内輪の研究会であるが,上記《1・2》および本科研の目的,方法,仮説等について報告し,研究遂行のうえで,有意義な助言を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
◆「遅れている」と評価した理由 「研究実績の概要」欄に記したとおり、2022年度はサンフアン移住地(ボリビア)と長崎の「カトリック集落」を訪問調査する予定であったが,新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより,実施できなかった。よって,「遅れている」と総括せざるを得ない。 しかし,2023年5月8日に,新型コロナウイルス感染症は5類感染症に移行されるなど,いよいよ国内外での現地調査が再開できる見通しである。鋭意,研究を推進したい。
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今後の研究の推進方策 |
【移住地訪問】2023年8月中旬から下旬にかけて,サンフアン移住地(ボリビア)を訪問する予定で計画を立てている。同移住地で出生した全ての子どもの名前について,漢字表記されたデータは手元にある。移住地を訪問し,読み方を一つ一つ確認し,可能な限り命名の動機について聞き取り調査を行いたい。 【オンライン調査】本科研に先立つ調査研究により,本研究の研究代表者はサンフアン移住地の方々とSNS等で繋がっている。〈子どもの名づけ〉というのは,きわめて繊細な事柄であり,オンライン調査にはなじまない部分が多いが,現地調査後に確認等を行う場合には,オンライン調査も活用できるところがあるはずである。適切に利用・実施したい。 【研究成果の発表】研究の質を高める為、同じ分野および近隣諸分野の研究者から適切な助言を得たいと考えている。これを実現する為、国内外における学会発表や論文発表を積極的に行いたい。
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