研究課題/領域番号 |
22K00583
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
|
研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
門屋 飛央 福井工業高等専門学校, 一般科目(人文系), 准教授 (60805878)
|
研究分担者 |
二階堂 整 福岡女学院大学, 人文学部, 教授 (60221470)
前田 桂子 長崎大学, 教育学部, 教授 (90259630)
原田 走一郎 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (00796427)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 日本語学 / 五島列島方言 / 日本語史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、五島列島の各地を調査し、その方言の文法スケッチ(簡易な記述文法書)を作成するというものである。日本語は、方言の集合体である。中央語を中心にした通時的研究に、通方言的な視点を取り入れることで、日本語の変化がいくつも存在することがわかる。本研究では、九州方言の歴史を考察するうえで重要な位置を占める五島列島方言に着目する。五島列島方言は、方言区画において北松方言、五島方言、福江方言の3つに分けられている。これらの方言の文法スケッチを作成し、方言を対照させやすい調査票も作成する。この研究成果を日本語全体の変化に位置づけ、日本語史を重層的に考察することで、日本語研究に新たな知見をもたらす。
|
研究実績の概要 |
2022年度は、本研究の初年度にあたり、これから調査を進めていくうえでの基盤作りを行った。各々が遠隔地にいるため、毎月1回のペースでオンラインでの会議を実施した。会議では、これまで研究の蓄積がある宇久町方言の記述を全員で共有した。代表者の門屋がこれまでの研究成果を話し、研究分担者の3名と調査項目について検討を行った。そして、各方言の文法スケッチを作成するにために、各自が主となる担当分野を決めた。 前期期間にオンライン会議によって調査計画を進め、10月に宇久島での臨地調査を行った。このときの調査結果は、2023年3月に『福岡女学院大学紀要 人文学部編』第33号に掲載された。 そのほか、門屋は、6月に『語文研究』第133号に「佐世保市宇久町平方言の『動詞否定形+カナ』による行為指示」が掲載された。宇久町の平方言では、目上の人物に対して、「せんカナ」(してください)という形式を用いて、行為指示を行う。この現象について考察したものである。 原田は、宇久島と藪路木島の方言に関する調査を行った。宇久島では五島方言に特徴的と思われる現象を中心に調査を行った。このうち、「〇〇でが」「〇〇にが」のように格助詞に続く助詞「が」については宇久島でもその使用が確認されたが、藪路木島方言ほど自由に使用できるわけではなさそうであることも確認された。藪路木島方言については疑問イントネーションの記述を行った。その結果、ほぼ常に疑問のマーカーが出現し、下降調になることがわかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度であったため、全員で調査を行い、情報を共有しながら進めていこうと考えていた。そのなかで今年度は、依然新型コロナウイルス感染拡大の影響があり、臨地調査を行うタイミングを決めるのが困難であった。全員での調査は、一度実施したが、複数回は実施できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、今年度の調査結果をもとに、五島列島の他の島へ調査範囲を拡大する予定である。2023年度は、小値賀島への調査を予定している。前期期間に調査項目の選定やインフォーマントへの依頼を行い、8月下旬に調査の実施を行う予定である。
|