研究課題/領域番号 |
22K00601
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
小塚 良孝 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (40513982)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 古英語 / 人称代名詞 / 複数形 / アングロサクソン年代記 / 綴り / 三人称 / 古英語後期 / 三人称代名詞 / 指示代名詞 / 関係代名詞 / 散文 / 年代記 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、現代英語の三人称複数代名詞they(their, them)の由来について調査・考察するものである。この問題については、長らく古ノルド語借入説が定説である。その原因として、古英語期の人称代名詞が形態の曖昧化により機能不全になったこと、その結果、代替手段を持つ必要性があったことが指摘されてきた。また、その一方で、想定される原因は同じであるが、古英語の指示代名詞からの発達であるとの指摘もなされてきた。本研究では、時代、ジャンル、方言、古ノルド語への影響の有無などの点で多様な古英語期の散文を資料として、人称代名詞と指示代名詞の使用状況を比較調査し、they形発達の要因や背景を考察する。
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研究実績の概要 |
当該年度に予定していた調査範囲(Aelfric, Wulfstan, アングロ・サクソン年代記等のWest Saxon方言後期の文献)の内、主にアングロ・サクソン年代記の調査を行った。特に人称代名詞の綴りと用法に着目して、アングロ・サクソン年代記の4つの主要写本(MS. A:Corpus Christi College, Cambridge MS 173, MS. C:Cotton Tiberius A I, MS. D: Cotton Tiberius B iv,MS. E:Laud Misc.636)の調査を行った。 計画している調査の一部を行った段階ではあるが、その結果から、they型の発達の背景には、同音異義衝突回避のために単に古ノルド語からの借入に頼っただけではなく、古英語内において改善策が模索されていた様子が伺えること、また、その二つの流れの拮抗の結果、中英語以降の格形と地域による浸透の差につながった可能性が改めて伺えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
They型の形成プロセスを考察すべく、翻訳ではない古英語散文における人称代名詞の使用と指示代名詞の使用との関係について調べることを当初の目標としたが、当該年度はまずは人称代名詞の綴りと用法に注目し、各時代・地域において人称代名詞がどのように体系として使用されているかを確認したいと考えた。調査対象のアングロ・サクソン年代記はどの写本も891年ころまでの共通部分であるいわゆるCommon Stockとそれ以降の各年代記の地域・時代によって内容や言語に大きな差が出る部分があり、それぞれ分けて分析した。Common Stockに関しては、4写本間の異同を中心に調査した。Common Stock以降についてはそれぞれの写本の記述における用例調査を行い、重複する部分については異同も調べた。分析手法としては、まずDictionary of Old English Corpusを用いて簡易の電子版比較テキストを作成し、校訂本(The Anglo-Saxon Chronicle: A Collaborative Editionのシリーズ)も併用して用例の収集とデータベース作成を行った。各種作業に予想以上に時間がかかってしまい、予定していた文献の内、アングロ・サクソン年代記の調査しか着手できていないが、その結果からも、古英語内において改善策が模索されていた様子が伺えること、また、その二つの流れの拮抗の結果、中英語以降の格形と地域による浸透の差につながった可能性が改めて伺えた。
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今後の研究の推進方策 |
当初は、人称代名詞の使用と指示代名詞の使用との関係について調べることを当初の目標としたが、まずは人称代名詞の綴りと用法に注目し、各時代・地域の人称代名詞の体系をまずはまとめる必要があると感じたため、予定を変更してそこに焦点を置いて各文献の調査を進めていく。当該年度に予定していた調査範囲でまだ着手できていない分(Aelfric, Wulfstan等)があるため、調査のスピードを速めたい。また、当該年度の調査については、翌年度中に学会で口頭発表し、論文にまとめる。
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