研究課題/領域番号 |
22K00618
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
家口 美智子 金沢大学, 外国語教育系, 教授 (20340854)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 文法的主語 / 準助動詞 / ing動名詞主語 / to不定詞主語 / subject / grammaticalization / be going to / be about to / 未来・認識を表す準助動詞 / 歴史的発達 / 主語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、未来・認識を表す5つの準助動詞(be gloing to、be about to、be bound to、be likely to、be supposed to)の通時的発達を主語(patient in passive voice、there、what、what節、-ing、to不定詞、it be Adj that/to)の拡大という面から解明する。主語の発達の仕方は同じ道をたどったのかどうか、to不定詞主語はbe going toでやっと1960年代で現れたが、他の準助動詞ではどうなのか、主語の発達のネットワーキングはあるのか等について、大規模コーパスを使用して確認する。
|
研究実績の概要 |
2023年度は、論文1本、口頭発表1本の実績を上げることができた。。本数としては少ないが、質の面においては、満足のいくものとなった。まず論文であるが、"Development of the Subject of BE going to in Grammaticalisation from the 1820s to 2010s in Comparison with BE about to"という題目の論文が、 査読付きの海外ジャーナルである、English Studies(104(7):1287-1308)に掲載された。 これは、be going toが文法化していく過程で、文法的な主語(例:patient、there、what、what節、ing動名詞、to不定詞、it (it Be Adj構文)、whether節)が1820年以降どのような順序で現れてきたかについてコーパスを分析して明らかにした。結果としては(to不定詞主語を除くと)、patient→there→what→ing動名詞→it Be Adj to→what節→whether節 の順序であらわれていることがわかった。これらの主語が表す内容(activity、agent、tense、interrogation)が多いほど遅く現れていることがわかった。2010年代の共時的なデータでも同じ順序であることがわかった。また、学会発表としては、英語語法文法学会(2023年10月21日)のシンポジウムの講師として、「歴史的変遷からみた現代英語における文法的主語の頻度 」という題目で口頭発表を行った。be bound to、be going to、be about toに関する主語の発達を概観しつつ、to不定詞主語は衰退していることを主張した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究課題は準助動詞の主語の発達についての研究であるが、計画していたbe likely to、be supposed toに関しては、まだ研究が進んでいない。その理由としては、to不定詞主語がbe going toと共起しないことが判明してから、準助動詞の主語だけでなく、全ての文の主語として現代英語では使われないようになってきたことがわかり、to不定詞主語の歴史的推移を調べていたからである。 to不定詞主語の歴史的推移という重要なテーマにたどり着いたのは大きな進展であるが、当初の計画が予定していたとおり進んでいないという現実がある。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は、本研究課題の最終年度にあたる。 上述のとおり、be likely toとbe supposed toの主語の発達を調査するには、今年度だけでは十分な時間がないと判断した。また、to不定詞主語の歴史的推移はデータ取りは終了していて、論文にして公開していくことが、英語史を中心とした英語学に寄与することとなろう。よって、当初の予定を変更して、今年度はto不定詞主語の歴史的推移の論文を執筆・投稿することを研究の中心とする。また、be likely toとbe supposed toに関しては、時間に余裕ができれば、be supposed toから主語の研究を始めたい。
|