研究課題/領域番号 |
22K00628
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
岩崎 真哉 大阪国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90379214)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 代名詞 / ノンバイナリー / 総称性 / 認知言語学 / 固定化 / 慣習化 / ネットワーク / 使用依拠モデル / メタファー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題の概要は、以下である。使用依拠(usage-based)モデルに基づいて、言語の固定化と概念ネットワークが言語事象を体系的に、また包括的に説明することを、事例を提示しながら例証することである。ここで強調したいことは、本研究では、話者や聞き手の相互作用が、社会的に、認知的に言語表現に、従来指摘されている以上に影響することを、頻度効果とテキストマイニングを使って示す。このような組み合わせの研究は従来見られないため、本研究は独自性があると言える。
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研究実績の概要 |
今年度は、英語の代名詞に関する最新の文献をまとめることに中心を置いた。具体的には、Lex Konnelly, Kirby Conrod, and Evan D. Bradley (2023)をまとめたがそれでは、ノンバイナリーの単数を表すthey、つまり、ジェンダー・アイデンティティが男性的でも女性的でもなく、ジェンダーの二元的な体系に当てはまらない個人を指すために使われるtheyについて論じている。当該のtheyを論じる際には、社会文化的言語的背景に注意を払う必要があり、また、その使用法にも注意を向ける必要がある。例えば、theyには総称的な使用法があるが、その総称性もtheyが性別に関係ない単数の個人を指示するように使用されることになった一因であると考えられる。さらには、代名詞を言語学的に詳細に議論するには、文法的ジェンダー、生物社会学的ジェンダー、そして概念的ジェンダーの観点にも注意を払うべきであると考察した。文法的ジェンダーは主に名詞にマークされ、生物社会学的ジェンダーは、外見的に観察可能な特徴と精神状態の両方から 構成されるのに対し 、概念的ジェンダーは純粋に精神的なカテゴリーから成る。特に今年度は、文書を書く際のスタイル・ガイドに注目し、theyの単数用法を使用する指針をまとめた。例えば、アメリカ心理学会の2020年版スタイルガイドでは 、初めて単数形の theyを明示的に支持し、個人を特定する場合にも、一般的な単数代名詞としても使用できるようになった。 時間メタファーについては、メタファーがどのように人間の時間の概念化を支えているかデータを取集しながら考察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
引き続き、単数を表す用法のthey/their/themに関する文献を収集し、調査しまとめている。それと同時に、それらに関する文例、データを収集している。時間メタファーについては、2023年後半に出版されたSarah E. Duffy and Michele I. FeistによるTime, Metaphor, and Language: A Cognitive Science Perspective, Cambridge University Press, Cambridge を中心に読み込み、データと理論的考察を分析している。さらに、本研究課題の理論的支柱になる、用法基盤モデルを最新の文献Manuel Diaz-Campos and Sonia Balasch (ed.) (2023) The Handbook of Usage-Based Linguistics (Blackwell Handbooks in Linguistics), Wiley-Blackwell を読み進め、自分独自の理論構築を目指している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、前年度に引き続き、単数を表す用法のtheyと時間メタファーを調査する。特に社会的なニュースにおいて、取り上げられた事例を収集し、その際の言語の使用状況やそれによる影響を分析する。また、日本語の場合と比較し、日本語の場合は英語と異なり、どのようにジェンダーアイデンティティを文法的に表示しようとしてるか調査し、分析する。 メタファーについては、従来の時間メタファーから新規の時間メタファーを収集し、ネットワークモデルの観点から分析する。特に、社会的、文化的側面を分析に取り入れることにより、より詳細な説明力のあるモデルを構築する。そのモデルの作成の際には、図の表示の仕方を工夫する。例えば、直線の太さや濃淡、図同士の距離や大きさを工夫する。そのモデルには、主体的把握や間主観的要素も加えられる。 さらには、テキストマイニングの手法と言語学的ネットワークモデルを統合し、新たなモデルを構築する。データとその理論的説明をまとめ、口頭発表か論文で発表できるようにする。
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