研究課題/領域番号 |
22K00629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02080:英語学関連
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研究機関 | 岡崎女子短期大学 |
研究代表者 |
小宮 富子 岡崎女子短期大学, 幼児教育学科, 研究員 (40205513)
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研究分担者 |
石川 有香 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40341226)
吉川 寛 中京大学, 公私立大学の部局等, 特任研究員 (90301639)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Global Englishes / GELT / 日本人英語 / 主観性 / 自己言及 / 国際英語論 / 日本人の英語 / 国際汎用性 / 日本的主観性 / 日本的談話構造 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は①日本人英語に見られる「日本的主観性」や「日本的談話構造」を反映する用法を、日本人英語の「モダリティ表現」や「主題化表現」の中から取り上げ、その語用論的特徴を抽出すること、②それらの英語表現の基底にある認知的・文化的な関与要因を他のアジア地域の英語使用との比較を通して抽出分析すること、また、③それらの英語表現が日本人英語として国際汎用性を持ちうる範囲と条件を国際英語論の視点から確認することを目指している。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、①英語の学習段階から習熟段階に至る日本人英語に継続的に見られ「日本的主観性」や「日本的談話構造」を反映する用法を、日本人英語の「モダリティ表現」や「主題化表現」の中から取り上げ、その語用論特徴を抽出すること、②それらの英語表現の基底にある認知的・文化的な関与要因を他のアジア地域の英語使用との比較を通して分析すること、③それらの英語表現が日本人英語として国際汎用性を持ちうる範囲と条件を国際英語論の視点から確認することである。2022年度の理論的研究としては、World Englishes English as a Lingua Franca, English as an International Language等の諸理論の統合的枠組みとして用いられるGlobal Englishesとそれに基づく英語教育(GELT)に関する文献研究を行った。実践的研究としては、GELTを用いた英文法・語法の指導による日本人英語に対する大学生の認識の変化の調査を行い、GELTの有効性についてバンコクでのThe 42nd Thai TESOLにて中間発表を行った。また日本人英語の研究としては、英語学術論文テキストにおいて日本人学生や大学院生が自らを「筆者」として言及する際に用いる「the author」「I」「We」などの出現頻度と出現環境の違いをコーパスを用いて抽出し「自己言及」に関する日本人英語の特徴の分析を試みた。その結果、近年の英語母語話者論文では「I」の使用が望ましいとされる傾向があるのに対し、日本人学生はむしろ「I」の使用を避ける傾向にあること、また国際学会によって「自己言及」の方法に関する規範に相違があることが判明したこれらの研究成果はJAAL in JACETにて研究発表を行い、関連のproceedingsに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際英語論に関する理論研究としては、Global Englishesの枠組みを用いた英語教育方法(GELT)の有効性に関する文献研究をある程度進めることができた。 また、GELTの実践研究として文法語法の指導にGELTの考え方を導入することへの学生の反応の分析を実施した。日本人英語の主観性がどのような形で出現するかについては、日本人学生による英作文の分析が有効であり、コーパスを用いて、日本人学生の英語学術論文における「自己言及」の特徴の抽出と分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
今後の国際英語論に関する理論的研究としては、引き続きGELTを中心とした文献研究を行う。特に、TESOLにおけるGELTの展開方法、有効性、評価方法に関する情報の収集に努める。 日本人英語の主観性の分析に関しては、日本人大学生の英語作文の分析を行うとともに、英語原文と日本語訳書の対比を通して、主観性の表れ方の相違の抽出を試みる。また、研究成果を国内学会・国際学会で中間的に発表するとともに、論文や著書等での発表を視野に入れた研究活動を継続する。
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