研究課題/領域番号 |
22K00632
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉野 文 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 教授 (10261885)
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研究分担者 |
高 民定 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (30400807)
西住 奏子 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 准教授 (40554176)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 移動 / 留学 / 異文化接触 / 言語使用 / 言語使用意識 / 言語意識 |
研究開始時の研究の概要 |
国内の高等教育機関では、留学や外国の学生との協働学習など、「移動」と「異文化接触」を伴う多様な教育プログラムが整備されてきた。一方、プログラムに参加する日本の学生は、近年その言語的文化的背景の多様化が見られる。本研究は、主体である学生に焦点を当て、こうしたプログラムが、学生の言語意識、言語使用の変容にどのように関わっているかを明らかにし、言語の面から教育のグローバル化の意義を問うことを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究は、大学において、留学をはじめとする「移動」と「異文化接触」を伴う多様な教育プログラムが整備されてきた現状を踏まえ、「移動」と「異文化接触」を経験することによって、大学生の言語使用、言語使用意識、言語アイデンティティがどのように変容するか、また、その変容を引き起こす契機は何かを明らかにすることを目的としている。令和4年度は、卒業前の学部4年生を対象とする共時的調査を実施するとともに、1年生を対象とする通時的調査に向けた準備を行った。 共時的調査は、長期留学(3名)、短期留学(1名)、オンライン留学(1名)を経験した5名の協力者を対象に、インタビューを行った。大学入学以前の教育、移動および異文化接触の経験、大学入学後の海外への移動(動機・移動先の選択理由)と異文化接触の経験について尋ね、具体的な接触場面における言語使用について、事前・事後の評価、調整も含めて詳しく聞き取りをした。また、言語学習経験と自己評価による現在の言語能力、大学入学前と現在を比較したコミュニケーションに対する考え方の変化についても確認した。対象者は全員日本語を第一言語とする者であったが、留学先での現地語や英語を使ったコミュニケーションの実態とそれによる意識の変化、国内での他言語話者との接触や言語学習経験が与える影響など、興味深い結果が得られた。協力者の背景および経験の多様性が、言語使用、言語使用意識等にどのように関わるかを明らかにするには、内容を精査すると同時に協力者を増やす必要があると考えている。 1年生を対象とする調査については、研究の具体的内容と方法を検討した。入学前の「移動」の経験、使用言語と言語学習、留学に対する意識等を問うアンケート調査と言語ポートレートの作成、インタビューを行う方向で進めており、調査を通じて通時的研究に対する協力者を募る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初は令和4年度はじめに1年生を対象とする調査に着手する予定であったが、具体的内容と方法についての検討に時間がかかり、実施を1年延期することにした。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、学部1年生に協力を依頼し、入学前の「移動」の経験、使用言語と言語学習、留学に対する意識等を問うアンケート調査、および言語ポートレート作成に参加してもらう。この調査への協力者の中から、通時的調査への協力者を10名程度募り、令和6年3月ごろに1年を振り返るインタビュー調査を実施する。この通時的な調査の協力者には、令和6年度末、令和7年度末にもインタビューを実施する予定である。また、令和4年度と同様に、学部4年生から協力者を募り、卒業前に大学在学中に経験した「移動」と「異文化接触」を中心とするライフストーリーインタビューを行う。関連分野の先行研究の知見から研究手法を精緻化し、インタビューを補足するための実際の接触場面の参与観察なども可能な範囲で行う。
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