研究課題/領域番号 |
22K00638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
朴 秀娟 神戸大学, グローバル教育センター, 講師 (10724982)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 副詞 / 評価・感情を表す副詞 / 日本語学習者 / 学習環境 / コンテクスト / 「なかなか」 / 評価・感情 / 副詞の習得 / 日本語教育 / 指導用ガイドライン |
研究開始時の研究の概要 |
日本語が上級レベルの学習者であっても、副詞の誤用は依然として観察される。なかでも、話し手の評価・感情を表す副詞は、産出そのものが難しい傾向にある。この種の副詞は、コミュニケーションを円滑に行う上で重要な役割を果たすことも多く、適切な使用を促すことは、コミュニケーション能力を向上させることにもつながる。そこで、本研究では、副詞の中でも、とりわけ、話し手の評価・感情を表す副詞を対象に、日本語学習者の習得実態並びに習得に関わる要因を明らかにし、そして、その考察結果に基づき、話し手の評価・感情を表す副詞を指導する際に参照できるガイドラインを構築する。
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研究実績の概要 |
本研究は、話し手の評価・感情を表す副詞(以下、「評価・感情副詞」とする)について、1)日本語学習者(以下、「学習者」とする)の習得状況並びに習得に関わる要因を明らかにすること、そして、2)その考察結果に基づき、評価・感情副詞の指導に活かせるガイドラインを作成することの2点を目的としている。本年度は、主に1)に関する調査及び考察を行った。具体的には以下のとおりである。 まず、学習者コーパスを用いて、学習者の日本語の習熟度、母語別に、評価・感情副詞の産出状況について調査を行った。その結果、習熟度が上がるにつれて産出はされるようになっても、使用頻度、種類ともに少ないことが明らかになった。また、本調査では英語を母語とする学習者と比べて中国語や韓国語を母語とする学習者においてより様々なタイプの評価・感情副詞が産出されていたことから、評価・感情副詞の産出においては、学習者の母語による違いがありうることが示唆された。 次に、評価・感情副詞の一つである「なかなか」を対象に、学習者の学習環境(海外/国内)を考慮した考察を行った。その結果、海外学習者、国内学習者のいずれも日本語母語話者ほど使用はしていなかったものの、海外学習者より国内学習者においてより多くの使用が見られたこと、また、国内学習者の中でも、教室環境学習者より自然環境学習者においてより多くの使用が見られたことから、評価・感情副詞の使用は、日本語母語話者との接触を通して促される可能性があることが示唆された。また、日本語母語話者による「なかなか」の使用例を分析したところ、「なかなか」がもつ評価的意味の考察にはコンテクストに着目した分析が有用であることが分かった。この結果は、ガイドラインを作成する際に応用できる重要な情報の一つになると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上でも示したように、本年度は、主に学習者による評価・感情副詞の習得状況及び習得に関わる要因について考察を行っている。本年度の初めは、上記以外にも、会話教科書を中心に、日本語教科書における評価・感情副詞の扱いに関する調査(以下、「教科書調査」とする)も予定していたが、学習者による習得状況に関する調査の過程、及び発表の場でのディスカッションを通して、評価・感情副詞の範囲を定めることの難しさが浮かび上がってきた。具体的なガイドラインを提示するためには、まずは本研究課題における評価・感情副詞の定義の見直しが必要であると判断し、教科書調査はいったん保留することとし、本年度は学習者による評価・感情副詞の習得状況及び習得に関わる要因に関する調査・考察に注力することとした。教科書調査を保留としたため、当初予定していた調査を全て行うことはできていないものの、学習者による評価・感情副詞の習得状況及び習得に関わる要因に関する調査・考察に注力した結果として、ガイドラインの作成に活かせる考察結果を得ることができたため、全体としてはおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、これまでの調査から得られた知見を精緻化しつつ、学習者による評価・感情副詞の習得状況及び習得に関わる要因を明らかにするための調査を引き続き行う。また、ガイドラインの作成に向けて、本研究課題における評価・感情副詞の定義を見直し、ガイドラインで扱う評価・感情副詞のリスト化を目指す。なお、次年度においても、学会発表や論文の公刊を通して、研究成果を積極的に発信していく。
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